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【書評】自己破産は最終手段『住宅ローンが払えなくなったら読む本』に秘策あり=姫野秀喜

住宅ローンの支払いに困ったらどこに相談すべきか?

不動産屋、弁護士、銀行…相談先はいろいろ思いつきますが、いったいどこに相談すべきでしょうか。

彼らには

それぞれの思惑や得意・不得意、信頼性などに違いがあるので、よく理解した上で相談することが大切です。

弁護士や司法書士に相談する場合の注意点

弁護士はほとんどの場合、自己破産をすすめます。

自己破産をすすめる中でも、弁護士が特にやりたがるのが「管財事件」です。

自己破産には「管財事件」と「同時廃止事件」がありますが、弁護士にとっては前者の方がはるかに高い手数料を受け取ることができるためです。

自己破産前に任意売却をしたほうが、ほとんどの債務者にとってお得なのですが、そうすると「同時廃止事件」となり、弁護士にとってはうま味がなくなってしまいます。

そのため

「任意売却は面倒が大きく、利益にならないのでやりたくない」というのが多くの弁護士の本音です。

著者は、弁護士の報酬体系の関係で利益相反な構造になってしまうということを述べています。

本来であれば依頼者の利益が大きい=弁護士も儲かるというのが良い構造です。不動産の売買でもそうですが、報酬を定めた法律のせいで、逆に売主や買主が損をしてしまう業者の行動を誘発するというのは、構造上の欠陥だと思います。

自宅にやってくる任意売却専門会社のほとんどが悪徳業者

裁判所に競売の公示が貼り出されると、それを情報源とする任意売却専門会社が多数、債務者の家を訪れるようになります。

任意売却専門会社の販促活動については貸金業法のような規制がありません。

事実上野放しになっているために、悪徳金融業者も真っ青という行為が現在でも平然と行われているのです。

業者の側はなんとか面談して専任媒介契約書に判を押させたいので、あの手この手を使います。

悪徳業者の手口は、

家の前で大声を出す

「家が競売になった○○さーん、いないですか?」などと呼びかけ、近所の目が気になる債務者が慌てて出てくるよう仕向ける

「裁判所のほうから来ました」などと欺まん的なことをいう

水道を止める

水道の元栓は家の外にあります。悪徳業者は勝手に敷地内に侵入して元栓をひねり、水道を止めてしまうのです

郵便物を盗む

債務者が他の選択肢を目にすることがないよう、債務者宅の郵便受けをあさり、配達された郵便物を盗んでいく

表札を盗む

同業者のアプローチを妨害する目的で、悪徳業者が盗むためです。表札がないと後から来る他の業者は債務者宅を見つけにくくなります。

悪徳業者の例だけあり、かなりひどい内容です。住宅ローンが返済できず苦しんでいる人にとって、まさに泣きっ面に蜂なので、こういう行為をされたらたまりません。

Next: 自己破産は最終手段。弁護士も親身になって対応してくれるとは限らない

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