本日の書評はみんな大好きな「税金」についてです。私たちは税金を納める側ですが、この本は徴収する側から書かれており「税金対策に裏技なし、正しい申告が一番」と思わせてくれる一冊です。(『1億円大家さん姫ちゃん☆不動産ノウハウ』姫野秀喜)
プロフィール:姫野秀喜(ひめの ひでき)
姫屋不動産コンサルティング(株)代表。1978年生まれ、福岡市出身。九州大学経済学部卒。アクセンチュア(株)で売上3,000億円超え企業の会計・経営計画策定などコンサルティングに従事。合間の不動産投資で資産1億円を達成し独立。年間100件以上行う現地調査の情報と高い問題解決力で、顧客ごとに戦略策定から実行までを一貫してサポートしている。
「税金対策に裏技なし、正しい申告が一番」と思わせてくれる一冊
税金を徴収する側から書かれた、税務上の注意点がわかる良書
本日の書評はみんな大好きな「税金」についてです。私たち不動産投資家は、普段は税金を納める側です。一方、この本は徴収する側から書かれた物です。
著者である飯田真弓氏は元国税調査官として26年間もの長きにわたり、多くの税務調査に携わってきました。その経験に基づいて税務調査官の一年の動きと面白エピソードを軽妙な語り口で戯曲のように伝えてくれます。本書では調査官の一年をナナジュウニ(7~12月)、カクシンキ(1~3月)、ヨンロク(4~6月)の3つに分けて、それぞれの時期に何を行っているかを書いています。それぞれのエピソードには、ちょっとした税務上の注意点がちりばめられており、読むだけで税務調査への対応はどうすればよいかというコツを知ることができます。
この本をひと言でまとめるなら「税金対策に裏技なし、正しく申告するのが一番」ということです。美味い節税方法などを知りたいなという方は、この本を読んでも何も得られないと思います。
本書の効能は、効率的に税務調査に対応できるよう普段からどういう点を心がけておけば良いかを知れるということです。正しく申告するためには、何が正しい手続きなのかを知らなくてはなりません。また、正しく説明できることが重要です。経費としてつけられるものは何か? 経費の内容を簡単に説明するにはどうすればよいか?そのための準備は? そういった疑問について実直に答えてくれている作者の言葉を早速見ていきましょう。
ナナジュウニ(7~12月)
■税務署の新年度は7月から
税務署や国税局、国税庁、財務省の事務年度は7月から始まり、6月に終わる
そして、毎年、3分の1から4分の1の職員が入れ替わる
税務署や国税局、国税庁、財務省の事務年度は7月から始まり、6月に終わる
そして、毎年、3分の1から4分の1の職員が入れ替わる
税務関係の役所は確定申告の処理などで忙しい4月を避け、7月に年度始まりを設定しているのですね。
■大きなタマ(調査案件)はナナジュウニ
ナナジュウニは、半年と、最も長いシーズンなため、大きなタマ(調査案件)に落ち着いて取り組める時期
ナナジュウニは、みーんな気合入っているからね。定期異動で新メンバーになって心機一転、頑張ろうって気持ちになるし
■タマ選びの三つのステップ
どんな企業や人が税務調査に選ばれやすいのか
税務調査は、以下の三つのステップで怪しいと判断されたところに来ます。
- 机上調査
- 外観調査
- 内偵調査
「1.机上調査」とは、下記のこと。
国税庁ではKSKっていうシステムを導入してて、そこに集められたデータが各税務署に送られてきて、そのデータをもとに分析して、まずは、母体を選ぶ
なお、
KSKっていうのは「国税総合管理システム」の略
「2.外観調査」とは、
申告書の住所にその企業が実在しているのか、さらに工場や代表者の自宅、そんなに遠くなければ別荘も見に行きます
「3.内定調査」とは、
客を装って実態を把握しようとするもの
■突然調査官が現れた時の対応
1. 国税局の方ですか?税務署の方ですか?
2. あなたのお名前は、何とおっしゃるんですか?
3. あなたの所属の部署は、何というところですか?
もし調査官が突然やって来たら、この3つの質問をして、顧問税理士と経営者に連絡を
「調査には全面的に協力する姿勢は見せながら、聞かれたこと以上は答えない」こういうスタンスでいいと思います