相次ぐ自民党政権からの口先介入
黒田日銀総裁が「思わせぶりな口先介入」が下手くそなので、今週に入ってから、政権内からの口先介入が増えています。
今週に入ってから、あたかも日本株式市場を鼓舞するかのように、政府関係筋からの「補正予算(=積極的な財政出動)」についての「口先介入」が相次いでいます。
この口先介入の極めつけは、10月21日の安倍首相のインタビュー発言です。
※GDP600兆円に向け旧「3本の矢」を一層強化=安倍首相 – ロイター
新3本の矢の「名目GDP600兆円」は、マクロ経済学が良く分かっていない一部マスコミや一部政治家、一部機関投資家には評判が悪いです。が、一言でいうならば、旧3本の矢(積極的財政出動、金融緩和、構造改革)を1本にまとめて凝縮すると、「名目GDP600兆円」になるのです。
「名目GDP600兆円」=「積極財政+金融緩和+構造改革」なのです。
ところが、マクロ経済学を理解していない内外の識者たちから、「新3本の矢」から財政出動や金融緩和といった「言葉」が消えただけで、「新3本の矢」は「アベノミクスの旧3本の矢の後退」だと誤解して落胆する報道や発言が、後を絶ちませんでした。
こういった誤解を解くためにも、21日の安倍首相は、ロイターのインタビューに答えて、「安倍自民党政権は、引き続き、金融緩和を続行して、積極的な財政出動を行い、構造改革も進める。景気を良くする!」と断言したわけです。
21日の日経平均は、この発言のあった午後1時26分を境に、主に外人主導(と見られます)で大幅上昇しました。海外の機関投資家たちは、普通の地道な機関投資家も一部ヘッジファンドたちも、日本株には興味津々なのです。
この秋は、ヘッジファンドだけではなく、今度こそ、「長期の息の長い地道な海外投資資金」が日本株式市場へ参入してくるのではないか?彼らは、夏場にも日本株に興味津々だったのですが、上海株式市場の暴落が始まって、しばらく様子見してしまったのです。その「彼ら」が、日本株式市場に参入してきています。
日銀緩和は12月以降か
黒田日銀の追加の金融緩和策は、たぶん10月30日ではなく12月17日に発動されるでしょう。追加の金融緩和策の規模は、補正予算の規模に左右されるでしょう。
黒田日銀は、補正予算の具体的な規模が正式に発表された後、しばらく様子見をして、「秋の円高の進み具合」に応じて、12月17日に追加の金融緩和策を撃つのではないのかと考えます。
とはいえ、「アベノミクスのリスク」は、2012年秋のアベノミクスのロケットスタート時に比べたら高まってきています。今後、内外のグローバルマーケットでは、いつ何時「ブラックスワン(黒い白鳥)」が飛び立つかもしれません。
すなわち、「先進各国の政策対応の遅れ」「中国人民元のさらなる切り下げ」あるいは、「中国の習近平体制の盤石性への疑念が再び急浮上する」とか、「イエレンFRBの想定外の利上げ」などなどです。なにとぞ「リスクの取り過ぎ」には、重ね重ねご注意くださいませ。
『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』10月23日号より一部抜粋
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