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誰がフランス抗議デモを扇動?カラー革命やアラブの春に近い「黄色いベスト」運動=高島康司

狙いは「マクロン政権の弱体化」

それでは「黄色いベスト運動」の拡大と暴徒化を主導した勢力が存在するとすれば、その目的はなんだろうか?

もしこの勢力がアメリカの支援を受けた機関であるとすれば、その目的ははっきりしている。マクロン政権の弱体化であろう。

周知のようにマクロン大統領は、反グローバリズムの保護主義を標榜し、自由貿易の国際秩序を拒否するトランプ政権に対してもっとも批判的なリーダーの一人である。

トランプを苛立たせる「欧州軍」構想

マクロン大統領の、トランプ大統領を苛立たせるアメリカ批判は有名だ。

11月14日、マクロン大統領はメディアのインタビューに応じ、「アメリカはわれわれの同盟国だが、フランスの大統領として『すべての安全保障をアメリカにゆだねます』と言えるのか。答えはノンだ」と述べた。そして、「同盟関係にあることは奴隷となることとは違う。アメリカには頼るべきではない」と述べ、ヨーロッパ各国が一体となって防衛にあたるため、ヨーロッパ独自の「欧州軍」をつくる必要性を改めて強調している。

また11月5日、第1次世界大戦の終結100年に合わせた地元ラジオ局のインタビューで、ロシアに加えて米国からも欧州を防衛していくためには「真の欧州軍」が必要だと強調している。

これに対してトランプ大統領は、「欧州軍」の創設について「アメリカを侮辱するものだ」とツイッターに投稿した。これは、安全保障政策をめぐる米仏の亀裂が鮮明になっていることの現れだ。

一方ドイツのメルケル首相は、「いつか真の欧州軍を創設するためのビジョンに取り組むべきだ」と述べ、トランプ米大統領の批判を受けたフランスのマクロン大統領の構想に対する支持を表明した。

Next: 狙い撃ちされるマクロン政権、ゴーン逮捕にも繋がってくる…

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