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通信障害で嵐の船出、ソフトバンク上場は成功するか?過去最大2.6兆円も不人気のワケ=栫井駿介

ハイリスク・ハイリターンなら親会社へ投資すべし

一方で、それだけではつまらないという人には、親会社であるソフトバンクグループへの投資をおすすめします。

通信子会社を上場させるのも、新たな投資を行うための資金調達手段に他なりません。調達した資金を使って、より成長が見込める事業に投資しようとしています。

投資会社としてのソフトバンクグループの特徴は、誤解を恐れずに言うならハイ・レバレッジ投資です。多額の借入金を利用し、大きなリスクを取ってだれも追いつけない成長を目指します。これは、借金を嫌うバフェットとは対極の考え方です。

ソフトバンクグループの純有利子負債は約13兆円あります。投資会社と考えるなら、保有株式の時価が25兆円なら、純資産は12兆円(25兆円-13兆円)になります。

ところが、相場の変調や投資の失敗で保有株式の時価が3割下落したとすると、資産額は17.5兆円、純資産は4.5兆円です。その結果、3割の資産価値下落に対し、半分以下の純資産価値になってしまいます。

反対に、保有株式の時価が3割上昇したとすると、資産価値は32.5兆円、純資産は19.5兆円で6割増加します。つまり、成功しても失敗しても、純資産の変動幅がより大きくなる投資を行っているのです。

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大きなリスクを取りながらも、安定した通信子会社を上場させて成長企業に投資するのは、孫社長にそれだけの自信があるからでしょう。

実際にこれまで数々の投資を成功させてきた張本人です。これからも投資に成功し続けるなら、ハイ・レバレッジが功を奏し、企業価値を大きく伸ばすことになるでしょう。

多少のスリルと大きな成長を求めるなら、通信会社のソフトバンクよりも、親会社ソフトバンクグループへ投資も一考すべきと考えます。


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image by:Ned Snowman / Shutterstock.com

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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2018年12月13日)
※太字はMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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