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逆イールドやブレグジットなど、これからのマーケットを動かす世界リスクの行方=式町みどり

「合意なき離脱」となれば、日常生活にも大きな支障

さて、欧州ではクリスマスが近づく中、フランスの反政府デモの激化や、英国のBrexit関連の混乱が伝えられ、昨日から今朝にかけて、ポンド安に拍車がかかりました。

もともと12月11日可否が問われることになっていた離脱案の採決は延期となり、その後、メイ首相の不信任決議に必要な書簡が揃ったとの報道もあり混乱が伝えられます。

保守党が不信任投票を行う可能性、野党が不信任案を出す可能性(不信任なら総選挙)、また首相が辞任する可能性などが言われていますが、どれも、3月29日の離脱期限が迫る中で「合意なき離脱」になる高いリスクをはらみます。その場合は、離脱期限の延長をEU側に求めることになるのでしょうが、混乱は否めません。

ところで「合意なき離脱」となると、通常の生活でも多くの支障が予想されます。

国内扱いだったものが外国扱いになるわけで、例えば、携帯通信でEUとの通信が国際通信になり有料ローミングに。英仏を繋ぐ高速鉄道ユーロスターでも、EU圏の域外扱いになれば、デジタル関連のみならず、運行にも影響する可能性があるようです。その他、航空関連、貿易関連と不都合なことが多く予想されるようです。これは英国民のみならず、旅行するものにとっても大問題でしょう。

BREXIT投票時には、EU離脱賛成が勘定論より感情論が大きかったように思います。

改めて国民投票のやり直しを求める運動も起こっているようですが、あと3カ月。時間が足りない感が否めません。

当面、ポンドの乱高下が予想されます。ポンドは、元々、乱高下しやすい通貨ですし、BREXITの混乱への賭けは、ギャンブルに近いものがあると思います。

あちらこちらで騒がしい年末になりそうですが、しっかり足元を固めて過ごしたいと思います。

日本も、気温が乱高下していますので、健康に注意してお過ごしください。最後までお読みいただき、ありがとうございます。

※12月12日日東京時間14時執筆
 本号の情報は12月11日のニューヨーク市場終値ベースを参照しています。
 なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。

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image by:Alexandros Michailidis / Shutterstock.com
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億の近道』(2018年12月12日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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