来週のFOMCで発表される、利上げ政策の方向性に注目
何故、この10年/2年の利回り格差が注目されるかと言えば、当メルマガでも何度か取り上げてきましたが、今後の景気見通しのある種の指標と見られているからです。
10年/2年の格差が逆転して平均約16.8カ月後に米国の景気が後退するという過去の例によるもので、例えば、記憶に新しいところでは、2006年初に逆転(最大0.11%2年債が10年債を利回りで上回り)、その後2年弱の2007年末から景気後退が始まりました。
それ以前ではITバブルの2000年初に逆イールドとなり、翌年3月から景気後退時期がありました。80年代、90年代にも類似の事例がありました。
長短金利が逆転する背景には、
1)2年債という短期債に利上げを織り込み過ぎた場合
2)10年債に今後の景気見通しを悲観的に織り込みすぎる場合
があります。
量的緩和政策の導入などでリーマンショックから回復が見えた2010年に10年/2年の格差は最大で2.8%ありました。超低金利を経て、短期金利が正常化へ向かう中、格差はどんどん縮小。今年初は0.54%から直近0.11%へ。この水準は、過去10年間で最も縮小しています。
FRBが短期金利の景気への影響をどう考えているのか?来週のFOMCでの利上げの有無、さらに来年からの利上げ見通しがどう伝えられるのか、要注目です。