イスラム途上国8カ国(D8)会議で脱米ドル化に向けた協議を進めることが発表されました。これは大きな動きです。海外報道を翻訳しながらポイントを解説します。(『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』)
※本記事は、『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』2018年11月19日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
米国の対イラン制裁を無視?韓国とイランが地域通貨での貿易開始
イスラム圏で加速する脱米ドル化
11月18日にトルコで開催されたD8(イスラム途上国8か国)会議で、脱米ドル化に向けた協議を進めていくことが発表されました。これは大きな動きです。海外報道を翻訳しながら、ポイントを解説します。
トルコのAntalyaで11月18日に開催されたD8外相合同会議の開幕スピーチで、トルコの Mevlut Cavusoglu外務大臣は、「トルコ政府は、ロシア・中国・イランとの貿易にそれぞれの各国通貨を使用するだろう」と発言。
加えて、「我々は貿易戦争の真っ只中にいる。最良の対処法は、相互の貿易に地域通貨を利用することだ。現在、中国・ロシア・イラン・ウクライナ等の貿易に地域通貨の利用を始める準備をしているだけでなく、他の複数の国々とも交渉をしている」と述べた。
さらに同外相は、「イスラム圏開発途上国(バングラデッシュ・トルコ・パキスタン・インドネシア・イラン・マレイシア・エジプト・ナイジェリア)経済協力機構の外相会議でもこの件について討議をする予定である。D8の8カ国で実現させることは可能であり、そのために決済金融機関の創設を提案する」と述べた。
この種の発言は何も初めてではなく、以前にも何度もRecep Tayyip Erdogan大統領が「徐々に米ドルの独占状態を終わらせて、それぞれの国の通貨で取引に使うようにしたい」と発言していた。
出典:Turkey Seeks to Trade in National Currencies With Russia, China, Iran – Sputnik International
いま眼前で繰り広げられている光景は、新興国通貨が米ドルに対して一斉に弱くなっており、米ドルのひとり勝ちのように見えます。
しかし、もし米ドル以外の国々の多くが米ドルを棄てれば、この風景は一変するでしょう。変化は最初は徐々に進み、最後の段階では急激に終焉を迎えるでしょう。
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