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中国が抱える「少子高齢化」という時限爆弾、経済成長率の急低下で国家存続の危機へ=勝又壽良

習近平の「米国に代わって世界覇権を握りたい」がそもそも間違い?

中国の普通出生率は2018年、1,000人あたり11人を下回りました。1949年の中華人民共和国建国以来、最低の水準となって衝撃を与えました。2018年の出生数は、17年比200万人少ない1,523万人でした。2年連続の減少で1980年以降では最も少ない出生数になりました。

中国政府系シンクタンクの中国社会科学院は、中国の人口は2029年に14億4,000万人でピークに達し、50年までに13億6,000万人に減るとの予測を発表しました。これは、生産年齢人口が2億人程度減少する可能性を意味しているのです。

中国政府は、2050年頃に米国覇権へ挑戦するという国家目標を打ち挙げました。その時点で、生産年齢人口が2億人も減っており、中国の経済成長率が急減速しているはずです。

かたや米国は、移民を増やせば労働力を確保できます。どうみても、中国は米国に比べて不利な状況に置かれています。

中国はなぜ、米国に代わって世界覇権を握りたいのか。その理由が不明です。

習近平氏は、民族主義者です。かつて清国が、世界一の富を手にしていた国であったから、現代中国もそれに倣って復興させたい。そういう意味でしかありません。それによって、中国国民が幸せになれるというものでないのです。

一国は、GDPの規模でなく、1人当たりGDPの高さが、国民生活の幸せを図る尺度になっています。習氏は、国家目標をGDPの規模に置くという誤解をしているのです。

10年遅れで日本の後を追う中国

昨年の普通出生率が11人を割ったことは、容易ならざる事態の到来といわざるを得ません。将来の経済成長率が、ガクンと低下するからです。

中国国家統計局が発表した先の出生率データによると、16〜59歳の生産年齢人口比率は昨年、64%超に急減しました。

この数字を日本の例で見ますと、2007〜08年のレベルに匹敵します。日本の10年前の生産年齢人口比率まで低下してきたことは、中国経済の将来評価にあたり見過ごしにできないポイントです。また、中国の普通出生率が11人を割ったのは、日本の1990年頃に匹敵します。

これまで、過密人口の中国というイメージでしたが、意外にも「少子高齢化」で日本に接近しているのです。この事実をぜひ知っていただきたいと思います。

中国経済の過大評価を止めて、等身大の冷めた評価をすべき段階と思います。中国政府は、国民の不安と不満が合計特殊出生率の低下という形で、表明されていると見るべきでしょう。

もし、習近平氏が唱えるような「中華再興」の夢を共有するならば、未来を信じて子ども育てようという気持ちになると思います。

現実は、逆の結果が出ているのです。言論の自由もない。自然環境は悪化している。共産党員でなければ人間扱いされない「監視社会」に対して、無言で「ノー」を表明していると見られます。

Next: 人口減が海外戦略を狂わせる。これから噴出する中国の社会問題とは

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