会社の強い疑念
その報告先として、創業家株主の代理人を務め、かつ、自身が当社の株式を相当数有する株主でもある中辻監査役の顧問弁護士の所属法律事務所が指定されていたことから、当社としては、当該報告要請は、監査役としての職務遂行の目的ではなく、一部の特定の当社株主(の代理人)が当社の内部情報を取得する目的のために行われたものなのではないかとの強い疑念を持つに至った
会社の回答
1)取締役会での中辻監査役の言動について事実と異なる記載がされているのか理解に苦しむ
2)当社に対して善管注意義務を負う当社取締役としては、創業家株主の代理人を務め、かつ、自身が当社の株式を相当数有する株主でもある者に対して当社の内部情報を報告することには応じかねる
会社の対応
創業家株主にTOBの意義を理解いただけるよう、引き続き努力したい
3.株価終値推移
1/17 419円、1/18 499円、1/21 579円、1/22 609円
2/1 688円、2/5 731円、2/6 792円、2/22 711円
<感想>
本件は、廣済堂のMBOを巡る、会社側と創業家・監査役の争い。あらかじめ、筆頭株主(9.6%保有)である創業家と相談することのない、敵対的TOBの変形(一形態)のようにも見える。
株価は、TOB価格610円を上回って推移してきるため、TOBでの取得株式数は下限の66.7%を下回る可能性大。TOB期間終了日は3月1日。今後のTOB価格引き上げを含めた、MBOの行方を注視していきたい。
『元証券マンが「あれっ」と思ったこと』(2019年2月24日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による