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「事故は買い」って本当?墜落事故で下落したボーイングはこの水準で買えるのか=栫井駿介

いつ買えば良いか?リーマン後に買っていれば10倍に

それでは、「今」が買うべきタイミングなのでしょうか?

事故は悲惨なものであり、同型機の運行停止もネガティブへはありますが、ボーイングへの受注に影響が出る可能性は低いでしょう。

ここで寡占のメリットが働きます。ボーイングでなければエアバスを選択するしかありませんが、エアバスでも同様の問題が起こらないとも限りません。

この2社ほどの実績を積んだ会社はありませんから、新規の会社に移るとしたら、その方が心配です。

株価も下げ止まり、暴落とはいきませんでした。市場は冷静に判断しているようです。

そもそも、直近の株価は少し高すぎた感があります。業績は好調ですが、これには少なからず好景気の影響があると思います。

安定した業績を出すとは言え、やはり景気の影響は免れません。現在の業績を基準にすると痛い目を見るでしょう。

直近の業績に基づくPERが21倍です。保守的に見積もって利益を7掛けにして考えると、PERは30倍となります。需要予測どおりだとすれば、売上高成長率は年間5%程度ですから、割高感があることは否めません。

買うとしたら、以下のようなタイミングでしょう。

  • 相場全体の下落時
  • 景気悪化に伴う業績悪化時
  • 9.11のように航空セクターに対して悲観的な雰囲気が流れている時

上記のようなタイミングでは、これだけいい会社でも株価は半値にまで下がります。しかし、その後は順調に株価を伸ばしてきました。リーマン・ショック後に買っていれば10倍になったのです。

下がったときは買いにくいものですが、長期的な視野を持ち、保有し続ける覚悟があれば自信を持って買うことができるでしょう。

普段からいい株に目をつけておき、しかしすぐに動くわけではなく、虎視眈々とチャンスをうかがうことが、リスクを抑え着実なリターンをあげる行動と言えるでしょう。

image by: vaalaa / Shutterstock.com

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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2019年3月16日号)より
※太字はMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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