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東京株式市場は「騒ぎ過ぎ、売られ過ぎ」反転上昇の可能性は高い=馬渕治好

12月1日に日経平均株価で2万円台を回復したものの、その後下げ幅を広げている国内株式相場の見通しは?メルマガ『馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」』号外より、米CFA協会認定証券アナリスト・馬渕治好さんの最新展望をご紹介します。

株価下落も投資環境は良好。早晩、上昇基調再開へ

国内株式相場は「騒ぎ過ぎ、売られ過ぎ」

12/4(金)に続いて、12/8(火)も国内株価が大きく下振れしています。
※編注:本記事は12/8(火)にメールマガジン『馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」』号外として配信されたものです。12/9(水)も株式市場は続落し、日経平均株価の終値は19301.07円と約1ヶ月ぶりの安値をつけました

12/6(日)配信の当メールマガジンでは、日経平均株価の今週の予想レンジ下限を19700円と見込んでいましたが、翌日12/7(月)の引け前以降たびたび割り込み、火曜日は19492.60円と、大きく下回って引けています。当面の見通しを誤り、誠に申し訳ありません。

ただ、国内株式相場は騒ぎ過ぎ、売られ過ぎで、今後の株価は上昇する可能性が高いと予想します。

というのは、特に投資環境で悪いことが起こったわけではなく、逆に見込んだ通り、国内株価の支援材料が表れてきているからです。

日経平均株価 日足(SBI証券提供)

日経平均株価 日足(SBI証券提供)

国内株価に支援材料

具体的には、前号のメールマガジンで、12/8(火)発表の7-9月GDP改定値は、実質GDPの前期比(年率換算後)について、当初発表値では0.8%減であったものが、0.2%増に修正されるだろう、という市場見通しを紹介しました。実際にはそれを上回る、1.0%増への上方修正でした。

また、これも前号のメールマガジンで、「安倍首相は12/11(金)~12/13(日)にインドを訪問します。現地でのインフラプロジェクトなどについて、この訪問とタイミングを合わせて、日本からの資金援助などにより、何か大きなインフラ投資案件が日本企業に発注される旨が公表される、という展開があるように思われます」と述べましたが、その通り、12/8(火)付の日本経済新聞で、インド初の高速鉄道について、日本の新幹線方式の採用が決まる見通しだ、との観測記事が報じられました。

株価下落の要因は?

こうしたことから、国内株価の下げは行き過ぎだと考えるわけですが、ではなぜ下げ過ぎになったかというと、下記のように考えています。

(1)
このところ、日経平均株価がなかなか2万円に届かなかったり、届いても2万円台の滞空時間が短かったりしたので、「何となく雰囲気が変だ」「何となく株価が上がらない気がする」「これだけ株価の頭が重いことで、とても悪いことがこれから起こるような不安を何となく覚える」といった、「何となく良くない」という気分が蔓延し、不安による損益確定の売りが嵩んだ可能性があります。

(2)
WTI原油先物がここ2日ほどで1バレル40ドルを割り込んで急速に下げ、37.70ドル近辺での推移となっています。これを受けて米国株価が12/7(月)に下落し、それが国内株価に影を落としたと推察されます。

WTI原油先物 日足(SBI証券提供)

WTI原油先物 日足(SBI証券提供)

ただ、たとえば米S&P500株価指数は前日比で0.70%下落しており、表面的には米国株価が総じて下がったかのような印象を受けてしまいますが、S&P500指数の業種別の株価指数をみると、エネルギーが3.67%も下落しています。また素材も1.77%の下落で、この両セクターが大きく足を引っ張った状況です。一方で生活必需品(0.29%上昇)など、堅調に推移したセクターもあります。

また、そもそも原油価格の下落は、エネルギー輸入国である日本にはプラス要因のはずです(心配すれば、日本から産油国向けの輸出が減るのではないかとか、産油国が日本株を売ってくるのではないかとか、いくらでも不安の種は掘り起こせますが)。

早晩、上昇基調を再開へ

こうした諸点を踏まえると、何となくの不安にとらわれた国内株式市況はすぐには明るさを取り戻さないとしても、早晩上昇基調を再開する、と考えられます。


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馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」』(2015年12月8日号外)より一部抜粋
※チャートと太字はMONEY VOICE編集部による

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