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韓国政治は完全に行き詰まり、経済学者の84%が「危機または危機直前」と判断=勝又壽良

南北統一が政権の最大目標

なぜ、現政権は政策の「エアポケット」に落ち込んだのでしょうか。

その理由は、文大統領が南北統一を最大の政策目標に掲げていることです。これを実現するためには、障害になるものをすべて抹殺するという強硬策を取っています。

南北統一を実現するには、保守派を除去する必要があります。そのためには、保守派と固く結びついていると思われる大企業と日本を「積弊」対象にして排斥する必要があります。一時的に経済的な混乱が起っても、財政出動でカバーすれば乗り切れる。こういう青写真を描いていることは確実でしょう。

「確信犯」ゆえに、韓国経済が落ち込んでも対日外交が破綻に瀕しようと、計算済みなのです。

国内の識者を大統領府に集めて、2度も懇談会を開きました。いずれも、経済危機対策と対日外交の見直し論が提示されました。しかし、「ご意見拝聴」に終わり、是正に動き出す気配はありません。

文政権が考える、南北統一阻害要因を排除する具体策は次の点でしょう。

1)大企業の弱体化 → 法人税率の引き上げ
2)対日外交の見直し → 慰安婦合意の白紙化・徴用工の慰謝料支払い実現

この2点を実現すれば、保守派の基盤を掘り崩して次期大統領選でも勝てると見ているのです。国内外で摩擦が起こっても、南北統一への実現に向けて払う代償と見る。そう考えればやむを得ないコストと覚悟しているのでしょう。

文政権の弱点は人事

文政権を支える大統領府秘書官の多くは、官僚出身でなく大統領が指名した人事です。ここが最大の弱点です。

官僚出身であれば、過去の政策決定の経緯や問題点を把握しています。だが、在野出身で市民運動などが主な経歴の秘書官にとって、政策決定は未経験なことばかりです。経済活動に携わった人物がゼロという大統領秘書官が、学生時代の乏しい知識を振りかざして国家の運命を左右する政策に関与しているのです。

こういう政策決定の舞台裏を聞かされると、誰でも身震いするでしょう。現在、起こっている政策的混乱は、在野の素人が生半可な知識でやっている結果なのです。

専門家の官僚は、政策決定過程から排除されています。各省の官僚が、文大統領に「直訴」したくても、大統領府秘書官の目が光っており、近づけないという状態です。韓国政治は、大統領府秘書官によって私物化されているとも言えるのです。

以上、文政権の抱える問題を包括的に上げました。以下では、経済問題対日外交問題安全保障問題についてやや詳細に取り上げます。

Next: 韓国国民はますます貧乏に。マイナス成長で無能の刻印が押された文政権

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