マイナス成長で無能の刻印
経済問題は、すでに深刻な状態です。この1〜3月期は、前期比マイナス0.3%成長でした。
潜在的な経済成長率が年率2.7%前後あるという韓国経済です。それが、マイナス成長に落ち込んだショックは、大きなものでした。内需が、恒常的にマイナス成長の流れの中で、輸出が落ち込めば一挙に今回のような事態になります。
なぜ、内需がマイナス成長か。それが問題なのです。毎度、申し上げている最低賃金の大幅引き上げが理由です。
すでに、米国の最低賃金を上回っており、「世界一」の最賃となりました。これで、韓国の中小零細企業の経営が保つわけがないのです。韓国の最賃制度では、守らない雇用主に罰則を伴います。これでは、不本意ながら従業員を解雇せざるを得ません。
文政権は、この事実を認めようとしません。労働者では賃金が伸びた層もいると力説しています。これは、大企業労組の賃金計算で最賃が押し上げる部分がある結果です。それを除外すれば、所得下位の人々は賃金が上がるどころか下がっています。
なぜ最低賃金を上げるのか
文政権は、最低賃金の大幅引き上げが解雇者を増やし、所得下位の人々の生活を苦しくしている現実を無視しているのは、大企業労組との「密約」の結果と思われます。
大統領選で、文氏は労組と政策協定を結んでいるはずです。最賃大幅引き上げはその項目にあるのでしょう。そうでなければ、ここまで最賃の大幅引き上げにこだわる理由がありません。
今後、南北統一を実現させるには、労組や市民団体の動員力に期待するほかありません。朴槿惠(パク・クネ)前大統領を弾劾に追い込んだ主役は、労組と市民団体です。真冬に「ロウソク・デモ」を指揮した功労者です。文氏が、大統領になれた大恩人は前記2団体ゆえに、最賃の大幅引き上げの旗を降ろすはずがないのです。