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2つの外交問題で沈む日本、衆参ダブル選挙で大勝を狙う安倍政権がハマる罠とは?=斎藤満

夏の選挙前に、大きな外交問題が横たわっています。与党は衆参ダブル選挙での大勝を狙っていますが、外交次第で思いもよらぬ苦戦を強いられるでしょう。(『マンさんの経済あらかると』斎藤満)

※本記事は有料メルマガ『マンさんの経済あらかると』2019年5月10日の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)
1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミストとしてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっているかを分析している。

自民の敗色濃厚?勝敗は菅官房長官「異例の訪米」の成果次第か

ダブル選挙に向けての得点と失点抑制

大阪と沖縄での補欠選挙で自民党推薦候補が連敗したこともあって、安倍政権周辺には夏の参院選と衆議院の解散総選挙を重ねたダブル選挙で大勝したいとの意向が強くなっています。

そのために、消費税延期を「大義」としようとしましたが、トランプ政権の支持は得た模様ながら、国内支持母体からの批判もあり、別の「得点」を求めていました。

その点、4月の日米首脳会談で、安倍総理自ら日朝首脳会談を行うよう、トランプ大統領から後押しがあったと見られます。もっとも、北朝鮮側からは安倍政権の強硬論に批判が強く、日朝会談の糸口はなかなか見つかりませんでした。

そこへ、トランプ大統領、ロシアのプーチン大統領から金委員長に、拉致問題解決への後押しがあったと言われます。日朝首脳会談に安倍総理も前向きとなり、これを選挙への「得点」にしたいと考えています。

一方でトランプ大統領から、日米通商交渉は大統領の5月訪日前にも合意可能との発言があり、安倍総理は動揺しました。合意と言っても、日本に負担となる内容が見えているだけに、夏の参議院選挙前にこれが出ると、選挙には明らかに「失点」となります。

そこで合意時期を何とか参院選後に延ばしてほしいと頼んだと言います。最近のタイム誌によると、安倍総理の事情を鑑み、トランプ氏はこの要請を受け入れたと報じています。

これら「ビッグイベント」が選挙に大きな影響をもたらすだけに、その近況を探ってみましょう。

異例の菅官房長官訪米

まず菅官房長官が5月9日から3日間の日程で訪米し、北朝鮮問題について米国幹部と協議したことです。官房長官は政治の要となる存在で、なかなか国外に出ることはなく、今回の訪米は異例のことです。

北朝鮮支援で日本から金を引き出すには、拉致問題解決に道筋をつける必要がありますが、北朝鮮の金委員長はこれを「解決済み」として、これまで交渉には応じませんでした。

しかも、安倍政権がこれまで北朝鮮に強硬論を続け、経済制裁などで締め付けをしてきただけに、安倍政権に強い反発を見せていました。

しかし、この膠着状態を打破しないと、日本の経済支援は得られず、米朝会談も進まない面があり、トランプ大統領がハノイでの会談でも口利きをし、先月の日米首脳会談でも今度は日本が動く番だと、安倍総理の背中を押しました。

安倍総理にすれば、これまで北の脅威を政権の求心力、支持率上昇に利用していた面はありますが、米朝関係の融和から、それも使えなくなっています。それだけに、これまで進展が見られなかった拉致問題に、解決の糸口が見つかり、北朝鮮との関係改善が進めば、参院選には大きなポイントになり、ダブル選挙勝利につながります。

Next: 菅官房長官が抱える重大ミッションとは?日米通商交渉も安倍政権のネックに…

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