fbpx

コカ・コーラ、世界的な砂糖離れに大苦戦。「健康志向」に乗れない企業は潰れていく=鈴木傾城

マクドナルドも「脱ジャンクフード」への舵切りを迫られている

コカ・コーラはアメリカの象徴ともなる企業だが、アメリカの象徴と言えばもう一つ誰もが思い出す企業がある。それはマクドナルドである。このマクドナルドを巡っても、大きな潮流が生まれてきている。

マクドナルドは、今もなお成長を続けている企業だが、今このマクドナルドが新しい挑戦に見舞われている。

シェイク・シャック」や「ベアバーガー」のような、独自のポリシーを持つバーガーショップがマクドナルドの領分を侵食しているのだ。独自のポリシーというのは、素材へのこだわりや、健康志向の人たちに対するオーガニックなメニューの拡充である。

マクドナルドのハンバーガーは今も「ジャンクフード」の代表なのだが、こうした新しいハンバーガー店はもはや「ジャンク」ではなくなっている。

さらに、2019年5月2日。ひとつのバーガー企業がIPO(新規株式公開)したのだが、取引初日で価格を吹き飛ばして192%の上昇となるほどの盛況ぶりだった。ビル・ゲイツレオナルド・ディカプリオが出資するこの企業は何か。

ビヨンド・ミート」という企業だ。

この企業の作る「ビヨンド・バーガー」には大きな特徴がある。それは、まったく牛肉を使っていないにも関わらず、牛肉を使ったハンバーガーと同じ味と食感を再現した「代替肉」だったのである。

今、誰もマクドナルドに興奮していない。ビヨンド・バーガーの方に興奮している。これは、「健康志向」が生み出している大きな潮流であることが分かる。

マリファナもまた「健康志向」

今、欧米ではマリファナが大きな市場を作り上げようとしている。

日本では今もマリファナは「危険ドラッグ」「犯罪物質」扱いなのだが、欧米ではもうすっかり時代が変わっていて、タバコやビールに変わる新たな嗜好品のひとつとして捉えられているのである。このマリファナにまつわる欧米の熱狂は、以前にも書いた。

【関連】大麻ビジネスに乗り遅れる日本、世界はマリファナ巨大市場の誕生でハイになっている=鈴木傾城

マリファナは日本で喧伝されているほど害のあるものではない。欧米では医療ハーブとして捉えられており、実際に医療にも取り入れられている。日本が意識を切り替えられない間に、欧米はどんどん先に突き進んでいる。日本人の「出遅れ」は致命的ですらもある。

ところで、このマリファナもまた「健康志向」という潮流から支持されていると聞くと、ドラッグ事情を知らない多くの日本人は驚くかもしれない。

欧米では今までコカインメス(覚醒剤)のようなケミカルなハードドラッグが蔓延していた。さらに中国から材料が何か分からないような合成麻薬まで入り込んで、ドラッグの世界は凄まじく危険なものになっていった。

そして、アメリカではドラッグと同じくらい極度の依存を生み出す鎮痛薬「オピオイド」が蔓延して大きな社会問題となっている。

だからこそ、マリファナはアンダーグラウンドの危機的な状況を救う救世主のように扱われているのだ。

マリファナは科学で生み出されたものではなく、自生する草(グラス)であり、ハーブでもある。マリファナもまた「健康志向」が生み出している大きな潮流に乗ったものだった。

Next: 乗り遅れる企業は沈む?「健康志向」という人類共通のテーマ

1 2 3
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー