世界の主要メディアがこぞって市場崩壊を警告している
他のメディアは、どう扱っているのか。ここからは、エコノミック・コラプスから要点を抜粋します。
RBSは世界の市場が「彼らが2008年にリーマン危機の前にしたときと同じストレス警報を発している」と述べました。
ロイヤルバンク・オブ・スコットランドは、顧客に“大変動の年”と世界的なデフレ危機に備えるよう勧めています。
そして、(世界の)主要な株式市場が5分の1程度下落し、原油価格は1バレル当たり16米ドルまで下落するかもしないと警告しています。
銀行のクレジット・チームは、市場は、2008年のリーマン危機の前にあったような同じストレス警報を発していると言っています。
RBSによると、これから迎える事態を考えれば、高品質債券を除いて、“すべてを売り払う”ことが理に適っている投資行動だ、ということになるのです。
「高品質債券以外は、すべて売ってください」と、今週、アンドリュー・ロバーツ(Andrew Roberts)が警告を出しました。
彼は、2016年の銀行は「赤信号が点っている」と警告しています。原油価格の下落、中国株のボラティリティ、世界貿易の縮小、増える一方の負債、財務体質の脆弱な企業への貸付とデフレ…これらは、年明け最初の週の取引ですべて表面化しました。
「投資家は、恐れなければならない」と彼は警告しています。出典:CNN 1月12日
RBS以外にも、いくつかの大手行が同じ警告を出しています。
アメリカの最大手銀行、J.P.モルガン・チェイスは投資家に、「たとえ一時のリバウンドがあろうとも、株を売るよう訴えています」。
とうとうJ.P.モルガン・チェイスが、株式市場に背を向けました。
この7年で初めて、この投資銀行は投資家に、どんなリバウンドがあろうとも、株を売るよう訴えています。
「私たちは、普通株から得られるリターンが著しく悪化した、と見ています。
過去7年間とは対照的に、一時的な下落は買いの機会であると提唱してきましたが、ここにきて、情勢はどんなときでも売り一辺倒に変わったのです」と、J.P.モルガン・チェイスのミスラフ・マテイカ(Mislav Matejka)はレポートの中で述べています。テクニカルな指標を用いて、米国の製造業における下方曲線と商品の弱含みが継続していることを総合的に勘案すると、貧血気味の企業収益の予想は赤旗を上げています。
J.P.モルガン・チェイスのような大手銀行が、2008年~2009年の大規模な財政危機以来、このように警告することは今までありませんでした。
明らかに、とてつもない大きなことが進行しているのです。
それまで保有していた何兆ドルもの金融資産も、2015年の後半には吹き飛んでしまったのです。そして、2016年の第1週にも何兆ドルもが消し去られたのです。
スタンダード・アンド・プアーズ500種銘柄の総市場価格は、すでに、およそ1兆ドルを下回っています。
このパニックのすべてを動かしている最大の要因は、原油価格の衝撃的な崩壊です。