グローバリズムとはイデオロギーであり、共産主義のこと
「グローバリズム」の正確な意味は、「国際主義」「世界政府主義」です。そう、「グローバリズム」とはイデオロギーであって、「貿易を促進して世界中の人々が必要なものを安く手に入れることができるグローバルな商業主義のこと」ではありません。それどころか、その真逆な結果をもたらします。
それを端的に言い表しているのが、竹中平蔵氏の「正規雇用が非正規雇用を搾取する構造になっている。正規と非正規の壁をなくさなければいけない」という発言。だから、「正規雇用をなくして、全員、非正規雇用にするべきだ」と言っているのです。
賃金格差や身分格差に囚われてしまうと本質が見えなくなってしまいます。
全員、非正規雇用にすれば、愛社精神や自分が作っている製品に対する愛着や責任感さえも喪失し、単なる「モノ」と「市場」だけの世界になります。投資のたとえ話で取り上げた「無味乾燥で色のない世界」です。
そうした世界での勝者は、人の痛みをまったく感じることのできない不感症のようなロボットなのです。
最終的には、「1%」と「99%」の酷薄な社会が訪れ、両者の間で革命が起こるか、あるいは「99%」すべてが淘汰され、残りの「1%」が、さらなる無色透明の世界を目指して分裂していきます。そして、再び、「1%」と「99%」に分かれ、最終的には自己淘汰するのです。
こうした世界のことを、なんと言いましょうか。「共産主義」です。
マルクスの虚構理論では、こうした格差のよって生み出される階級闘争は「共産主義」によって終焉することになっています。しかし、よく考えて見ると、ヘーゲルの弁証法とは矛盾するのです。「正・反・合」のスパイラルは、対立があるところでは永遠に続くのです。「共産主義」世界は、新たな闘争の始まりに過ぎないのです。
これが本当の意味の「グローバリズム」です。つまり、「共産主義の次の世界」を目指すイデオロギーのことです。
それは、誰も想像もできない世界…そう、最後に残った「グローバリズムの神様」である悪魔を信奉する者たちが死闘を繰り広げるという、これ以上ないほどの悍ましい世界のことなのです。