fbpx

100年定期預金の失敗から学ぶこと~本当にインフレに負けない資産とは?=田中徹郎

本当にインフレに強い現物資産とは?

では仮に新たに供給されない資産に投資していたら、どうだったのでしょうか。たとえば金貨です。金貨の素材は金ですが、こちらは新たに製造されることはありません。

(注) 明治金貨は正確に言えば金90%と銅10%でできています。

大正4年に発行された新二十円金貨を例に考えてみましょう。

当時の新二十円金貨は、当然ながら通貨ですので20円支払えば購入することができます、購入というより両替といった方がよいかもしれません、いずれにしても比較的簡単に購入できたはずです。

この場合お父様がお持ちだった100円で、この20円金貨5枚に両替することができたわけです。ではこの20円金貨が、箪笥のなかからそのままの状態で5枚見つかったとしたらどうでしょう。

現在の新二十円金貨は、未使用状態で概ね30万円程度になりますので、5枚で150万円となります。さきほどの33,900円と比べると、ずいぶんと大きな金額になることが分かります。

これに対してお父様の100円の当時の価値は、今の100万円程度だったと考えられますから、元本を50万円ほど上回ることになるといえるでしょう。

いずれにしてもさきほどの33,900円と比べると、ずいぶんと大きな金額であることが分かります。

ではなぜ金と違って金貨の方は、インフレに負けなかったのでしょうか。これはあくまで1つの可能性ではありますが、金と違って金貨は新たな供給がなく、したがって金のように価値が薄まらなかったからだと思います。

まとめ

  • 紙幣や現預金は長期的に価値の保存が難しい場合があること
  • 金のような新たに供給され続ける資産は、たとえ現物資産でもインフレに勝てない場合があること
  • これに対して新たな供給が見込めない現物資産はインフレへの抵抗力があること

この100年定期預金の事例から、私たちは以上のことを学ぶことができます。

【関連】北朝鮮とヒラリー、ゴールドマンを結ぶ点と線~半島有事は近いのか=高島康司

1 2

一緒に歩もう!小富豪への道』(2016年1月26日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

無料メルマガ好評配信中

一緒に歩もう!小富豪への道

[無料 毎週火曜日+号外あり]
富裕層むけ、富裕層入りを目指す方むけの究極の資産防衛メルマガ!一国だけに資産を集めておくのは危険な時代がやってきました。海外ヘッジファンド、貴金属、不動産からアンティーク・コインまで、金融不安に負けない世界分散ポートフォリオを、経験豊富なファイナンシャル・プランナーが誠意をもってご案内します。

いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー