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韓国だけが苦悩するGSOMIA破棄、米韓同盟解消の危機に国内からも文政権批判が噴出=勝又壽良

韓国に失望した米国

米国は、韓国がGSOMIA延長問題で結論を出す前に、新国防長官や大統領安全保障担当補佐官を訪韓させ、GSOMIA延長を要請していた。それにも関わらず、破棄になったことで一斉に不満と失望を表明した。外交慣例上、従来にない厳しさである。

米国側は、GSOMIAの果たす日米韓3ヶ国の安保ライン維持が、中ロ朝の3カ国に対する結束を象徴するものと表明した。

これに対して韓国大統領府は、「国益は同盟の利益より優先する」との声明を出すなど感情的に対応して問題になった。国益は、同盟によって守られるものであり、単独では不可能である。だからこそ、同盟が存在する意義がある。

韓国は、朝鮮戦争で大きな打撃を受けながら、米国を核とする国連軍によって独立を維持できた。こういう歴史的な事実から言えば、国益は同盟によって維持できた現実に目を覚まさなければならない。

米韓関係が大きく揺らいだ瞬間である。

米国は、韓国に対してGSOMIA破棄を取り消して、原状に復することを希望している。韓国が狙った、米国による日本への「ホワイト国除外」撤廃要請は不発に終わった。

GSOMIAと「ホワイト国除外」は、もともと別次元の問題である。これを絡めようとした韓国に、認識不足があったというほかない。

日本は自前の軍事情報収集へ

日本にとって、韓国によるGSOMIA破棄が、軍事情報取得上において致命的な欠陥になるわけでない

現在、光学衛星3機、レーダー衛星3機、予備レーダー衛星1機を稼働している。最終的に光学衛星4機、レーダー衛星4機、データ中継衛星2機など計10機の情報収集衛星が確保される。このほか対空レーダー11機や海上自衛隊6隻の護衛艦に航空機やミサイルを探知して対応するイージス戦闘システムを搭載した。建造中の護衛艦2隻も同じである。

このように軍事情報収集体制の整備を急いでいる。

日本は自前の軍事情報収集体制に加えて、米国からの情報伝達がある。仮に、韓国が抜けたとしても、それが決定的なマイナスにはならない

ただ、ミサイル発射など1分1秒を争う緊急事態では、日米韓3ヶ国が瞬時に同一情報を得て行動できるメリットは大きいのだ。韓国では、この点の認識が足りず、「自尊心」が優先する「古代の戦法」のような考えに囚われている。

Next: 自作自演の「GSOMIA破棄劇」は不発に終わった

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