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“ローコスト”な原発の正直なコスト~過酷事故の発生確率は4.3%/年=吉田繁治

1年間のうちに、日本のどこかで原発の大事故が起こる確率は4.3%

1基で1000年に1度の確率は、1000の目があるサイコロを、1年に1回投げるのと同じです。

1つの目に過酷事故と書いてあるとします(1/1000)。わが国には44基の原子炉があります。1年に44回、このサイコロを投げて、1回でも過酷事故の目が出る確率が1年間の事故率です。

逆数で言うと、44基の全部で過酷事故が起こらない確率は、〔0.999の44乗≒0.957=95.7%〕です。1年間に過酷事故が起こる確率は〔1-0.956=0.043=4.3%〕です。

つまり、1年間にどこかの原発で過酷事故が起こる確率は4.3%と高い。住宅の火災の確率は1年に0.1%です(1000年に1度)。火災に比較して、日本のどこかで原発の大事故が起こる確率は、43倍も高い4.3%です。住宅の火災以上に「保険」をかけておくべきでしょう。

しかし…原発は作ってしまっています(44基:2015年)。つまりコミットしてしまい、コストは発生してしまっています。今から廃炉にすれば、償却されていない設備の廃棄と廃炉の費用が新たに加わります。このため、政府は再稼働の方針を決めています

不安は、運転中のものが19基、建設計画が225基もある中国でしょう。

日本は、大陸から偏西風が吹く方向に位置し、万一沿岸部の原発で過酷事故が起これば、黄砂やPM2.5のように放射性物質が飛来するからです。

この場合日本を2度救った神風が、逆のものに転じます。確率は、「万一」です。日本の地理では、過酷事故が起こらないことを祈るしかないでしょう。

【関連】クルーグマンと浜田宏一氏の誤り~『2020年 世界経済の勝者と敗者』を読む=吉田繁治

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