増加した雇用の86%が高齢者
今回も、雇用が45万人も増えても、その39万人(86%)が高齢者だった。つまり、政府ドーピングにより、見かけ上の数値だけ良くしようとした結果である。
例を挙げると、公園の雑草取りや、伝統市場の掃除、大学の部屋の電気の消し忘れを管理など、誰でもできる単純な労働にわざと雇用を創り、それを高齢者に仕事として与えたに過ぎない。
もちろん、高齢者は仕事が貰えて助かるだろう。
しかし、逆に若者の仕事がなく、30代の雇用は9,000人、40代は12万7000人も「減少」したのだ。しかもそれは、韓国経済を支えてきた製造業や金融業の雇用減少である。
税金で雇用を水増しし、足りなくなったら増税へ
雇用の質が良くないので、今回の失業率の改善は経済活性化に繋がるはずもない。いうなれば、雇用のばらまきである。
もちろん、政府が金を払っているわけだが、そのお金は国民の税金であり、蓄えてきた基金である。
さらに、その基金が失業手当の大幅増加で枯渇しそうだからと、なんと増税をするのである。雇用保険料を10月から23%も引き上げるのだ。
10月から年間の雇用保険料を引き上げ
これはいったいどういうことを招くのか、少しだけ詳しく解説しよう。
勤労者:27万2,952ウォン → 33万5,940ウォン(6万2,988ウォン増加)
雇用主:158万8,416ウォン → 195万4,968ウォン(36万6,552ウォン増加)
そして、以下のようなループが完成する。
韓国政府「最低賃金を大幅に引き上げる。目標は10,000ウォンだ」
雇用主「最低賃金が大幅に引き上げられた。労働者を減らそう」
労働者「働く場所がない。仕方がないので失業給付で生活するしかない」
韓国政府「雇用保険基金が枯渇しそうなので、雇用主と労働者は雇用保険負担額を増やそう」
雇用主「今度は雇用保険負担額が増えた。労働者を減らすしかない」
労働者「また働く場所がなくなった。失業給付で生活するしかない」
韓国政府「雇用保険基金が枯渇しそうなので…(以下、繰り返し)」
とまあ、このような状態となっている。どう見ても、最低賃金の大幅な引き上げによっての悪循環である。
まさに働いたら負けという状態だ。
最後に韓国の景気動向で重要な発表を見ていこう。