読者さんからの質問「自分の働いてる会社の株を買うのは投資としてどうですか?」
「上場企業で働いている20代です。給料だけではお金が稼げないので、何かしないといけないと思っています。垣屋さんは株で儲けるのは情報量が少ないから難しいとおっしゃっていましたが、自分が働いている会社の株を買うのはどうですか? 営業をしていて、新製品の売れ行きも大体わかるので、情報量は多いと思いますが」。
あなた自身が勤める会社の株は「オススメできない」
ご質問ありがとうございます。結論としては、投資の常識的なルールにそぐわないので、自分の勤める会社の株を自己資金で買うのはオススメしません。
私は基本的に、銘柄で株を買うのは、リスクが高すぎと思っているので、オススメしていません。
理由は通常、以下の質問にすべて「はい」と言えないはずだからです。
・その会社の社長を知っていますか?
・その会社の事業の強豪優位性やリスクを知っていますか?
・その会社に直接株価の事で質問できますか?
これらの回答すべてに「はい」と言えないのに、株価が上がると思える根拠はないと思います。
一方で、社員だったら、上記すべてに「はい」と答えられるかもしれませんね。でも、私はオススメしません。
これは、投資の常識から逸脱しているからです。
投資とは「リスク分散」
投資とはリスク分散をする必要があります。債券と株と為替にバランス良く投資したりするのです。
ボーナスが業績連動型だったりもするはずですし、質問者の方の資産はすでに勤めている会社に偏っています。
そこに自分のお金まで同じ会社に投資するとなると、ボーナスが上がると株も上がり、ボーナスが下がると株も下がるという、リスクを取った資産ポートフォリオになってしまいます。
それでも投資するという場合は、インサイダー取引(編注:金融商品取引法で禁止されている行為。上場企業の関係者などが、その職務や地位によって知り得た未公表の情報を利用して、自社株などを売買すること)にならないように気をつけて欲しいです。
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※本記事は有料メルマガ『垣屋美智子の「キイトク」』2019年11月4日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
「垣屋美智子の「キイトク」」(2019年11月4日号)より一部抜粋・再構成
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垣屋美智子です。証券アナリストとして10年間従事した後、現在、スタートアップ企業の財務面・経営面での支援をしたり、執筆・講演活動をしています。経済状況の変化をリアルタイムに感じる環境で過ごしている分、生き方、働き方、子育て等にどう影響するか、書きたいことは沢山あります。メルマガならではのQ&A形式で、限定した読者との場だからこその、深堀りした考え、とっておきな情報を絡めて回答します。たまにここだけに留めたい話も特別号として号外を発行予定。