ダボスの気候変動についての討論会で、日銀の黒田総裁がいきなり「日本の2019年10月~12月期のGDPがマイナス成長になった可能性がある」との見方を示し、メディア界を混乱させています。
ロイターや共同が大きく報じる一方で、大手紙の日銀担当記者は、予想外だったのか、あるいは「忖度」して、スルーしたのでしょうか?(『「ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!」連動メルマガ』児島康孝)
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2019年第4・四半期のマイナス成長は確実?原因は災害に押し付け
2019年10月~12月期「マイナス成長」に陥る
2019年の第4・四半期(10月~12月期)GDPの公式発表はまだ先なのですが、日銀の手元には、ある程度の数字がすでに揃っているのでしょう。
ロイターは、スイスのダボスから、次のように報じています。
※参考:日本経済、台風被害で昨年第4四半期はマイナス成長の公算=日銀総裁 – ロイター
これは、スイスで開かれているダボス会議での話で、今回の本筋は「気候変動」です。
その中で、「不規則」発言なのか、「小出し」発言なのか、日銀の黒田総裁から、突然、飛び出した発言というわけです。
本来なら、日本の大手メディアがそろって大きく報じるところですが、さすがに、気候変動がテーマであるので、不意打ちをくらったのか?
日銀を「忖度」してスルーしたのか?
ロイターと共同が報じ、産経や朝日は、共同やロイターを引用しています。
しかし、共同が報じると、地方紙は一斉に、共同通信に「相乗り」するので、ネットで、大きく流れることになったわけです。
日銀の黒田総裁の手元には、GDPを算出するためのデータがある程度そろっているでしょうから、
明らかにこれは「日本の2019年、第4・四半期(10月~12月期)は、マイナス成長になる」という状況なのでしょう。
ダボスで発言して、マイナス成長「小出し」?
このようなマイナス成長の話は、いきなりGDPの公式発表で数字が出てくるとショックが大きいため、日銀などは意図的に「小出し」にする場合があります。
「景気は緩やかに回復している」という主旨が日銀の公式見解であるわけですから、これとは真逆の、日本の本当の話(=不況)が公式の数字として出てくると、きわめて良くないわけです。
多くの日本国民は、リストラ続発・閉店・倒産と、日本の現実をみています。
そのため「景気が良いわけはない」と実感しているわけですが、これまで日銀は、日銀の政策によって「景気は緩やかに回復している」と言い続けてきたわけで、体裁が悪くなります。
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