国が儲かることは良いことなのだが…
国が富むことにより、その富を国民には社会保障等公共サービスで還元することができます。
ただ、公共事業を負の側面から見れば、政治家個人がその特権を利用して私服を肥やすという、賄賂など、事業者との癒着が付きまといます。
許認可事業ほどには大きな利権がついてきますが、特にカジノ事業は動くお金が大きい分、どうしても、事業者と政治家との負の関係が取りざたされます。
今回の秋元司被告によるIR疑獄は、実に分りやすい構図となっていますね。IR担当内閣府副大臣になった途端に、講演料が跳ね上がるのですからね。
「MICE+カジノ」?
そもそもIR統合型リゾートは「MICE」に「カジノ」を付け足したものという考え方になっています。
「MICE」とは
「M」:Meeting(会議、研修)
「I」:Incentive(招待旅行、視察、研修)
「C」:ConventionまたはConference(大会、会議、サミットなど
「E」:EventまたはExhibition(各種イベント展示会)
この受け皿としての大施設にアミューズメントの要素を加える、その一つが「Casino(カジノ)」となっています。
IR統合型リゾートの目的は「訪日観光客を増やす」ことです。
統合型リゾートとして、カジノだけでなく、総合的に大きなお金を落としてくれることを期待しています。
日本にお金を落としてもらうには、日本に訪れる観光客数が増えなければ意味がありません。
近年、日本を訪れる外国人は、たしかに急速に増えています。
2017年の訪日外国人数は2869万1000人を記録し、前年と比較すると19.3%の増加となりました。
特に韓国と中国からの訪日外国人はそれぞれ700万人を超え、ここに台湾と香港を加えると、訪日外国人数全体の70%以上をアジア圏が占めることになります。
また、ロシアについては、査証要件が緩和されたことも関係して、前年と比較すると40.8%もの増加となりました。
この訪日観光客に関しては、安倍総理を議長とする「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」によって、2016年3月に策定された「明日の日本を支える観光ビジョン」の中で、2020年に訪日外国人旅行者数を4,000万人に、2030年には6,000万人に増やす目標が掲げられています。
訪日外国人による旅行消費額については、2020年に8兆円、2030年には15兆円まで拡大することを目指すとしています。
この数字を実行するには、東京五輪や大阪万博だけでなく、やはりカジノに期待するところがあるのでしょう。
さらに、地方における外国人宿泊者数の増加も目指しており、2020年は7,000万人、2030年には1億3,000万人の宿泊を新たな目標としました。
2030年の目標値は、2015年との比較で5倍の数字です。