今の自分が貯金ゼロであるならば、非常事態であると考えた方がいい。たとえ、本当に微々たるものであっても、貯金をすることからすべては始まる。非常事態なのだから、それは人生の何においても最優先事項でなければならない。貯蓄ゼロであるならば、まずはそこから脱することが生き延びるための目標になる。(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』)
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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。
年収300万円未満の54%が「貯蓄なし」。状況はさらに悪化する
貯金すらもできない人が多い
日本はすでに平均年収186万円未満の貧困層(アンダークラス)が約929万人にもなっている国だ。
企業は終身雇用を捨てて、従業員を非正規雇用という使い捨てでまかなう方向で動いているので、アンダークラスはこれからも増え続ける。
2020年からは同一労働・同一賃金で非正規雇用者の賃金が上がると期待している人もいるようだが、実際には「非正規雇用者の賃金が上がる」のではなく「正社員の手当が削減されて非正規雇用者の賃金に近づく」現象が起こるとも予測されている。
そうなったら、正規労働者である2,192万人がアンダークラスに転がり落ちていくことになる。
そもそも正規労働者であっても、中小企業や零細企業では充分な収入が得られないこともある。平均年収は約400万円とも言われているのだが、実際には300万円以下しか収入が得られない人も多い。
300万円と言えば、月換算で約25万円である。月25万円もあれば貯金ができているのだろうか。
いや、金融広報中央委員会(日本銀行情報サービス局)の金融行動に関する世論調査(2人以上世帯調査)によると、300万円未満では54%が「貯蓄なし」の状況となっている。
300万円から500万円未満の、平均収入世帯で見ても29.20%が「貯蓄なし」ということになる。日本では単身世帯が増えているのだが、この単身世帯も約50%は「貯蓄なし」である。
そんなわけで、「資本主義は株式を保有することで恩恵を受ける」といくら理解しても、その前に投資の原資となる貯金すらもできていない人の方が多い。
「貯金する」というところからスタートしなければならないのである。
「株式を持つ」これが勝者になる絶対条件
現代の資本主義は、すでに株式という金融資産を持つ人間だけが資産を増やして富裕層に至る「株式《至上》主義」の社会へと変質している。
フォーブスの金持ちリストを見ても、事業家という名の大株主、投資家という名の大株主、創業者一族という名の大株主で占められる世界になっている。
株式を持つというのは、この弱肉強食の資本主義で生き残るためには唯一絶対の条件になっているのだ。