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こうやって私たちは不動産屋に騙される。『やってはいけない不動産投資』書評=姫野秀喜

不正のPDCAを回すW社

東京・新橋に拠点があったW社

W社では、スルガ銀で不正融資ができなくなったあとも、三井住友銀行やりそな銀行、西武信用金庫、千葉銀行などに偽造した資料を提出し、多額の融資を引き出す不正を続けていた

その動かぬ物証が、W社が物件ごとに作成していた「エビデンスファイル」と呼ばれる資料。偽造した内容にミスがないかどうかを点検するためのチェックシートだ

これはすごいです。不正のミスをチェックするためのチェックシート(笑)。

点検項目には、「残高は指示された金額か」「名義や口座番号は正しいか」「取引日は平日か」「ページ表記は間違いないか」などとある

回覧した従業員や幹部、社長のハンコもしっかり押されてあった。

エビデンス改ざんのチェックシートを社内回覧して、幹部と社長チェックまで入れるなんて、とんでもないですね。

PDCAを回し、点検項目は日々バージョンアップしていったそうです。

まともに働けばちゃんとできる能力を持っているのに、やっぱり、まっとうに働きたくないんでしょうか。不思議ですね。

不正を極めるW社

W社のスゴイ話はまだあった

銀行のホームページそっくりの画面を作り

融資審査でネットバンキングのログインを求めるようなら(中略)ニセモノの大手銀行のトップ画面

から

客がそこへ口座番号を打ち込んでログインすると、偽造した出入金記録や預金残高と同じデータが表示されるカラクリだ

とんでもないです。

「ウチは厳しくなった審査をいかにくぐりぬけるかに血道を上げる」

「お客さんは一緒に銀行をダマした気になっているが、自分が割高な物件を買わされていることには気づかない」

W社では従業員のほとんどが退職を迫られ、間を置かず会社は営業停止となったが、主要メンバーは関連する別会社に移り、不動産ビジネスを続けている

Next: 入居を偽造!悪徳業者はここまでやるのか…/自殺者も出るO社の手口

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