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こうやって私たちは不動産屋に騙される。『やってはいけない不動産投資』書評=姫野秀喜

入居を偽造!ここまでやるのか…

「明日午前中カーテン行きます。終わり次第連絡するので、現地調査入れてもらっていいですか」

銀行員と交わしたLINEには、そんなやり取りも残っていた

銀行の審査部門による「現地調査」に備え、入居者がいるように見せかけるため、空き部屋にカーテンをかけに行くことを担当行員に伝えたものだ

ただカーテンをつけるだけではない

電気メーターが回っていることも確認されるため、リサイクルショップで買ったビデオデッキを持ち込んで延々と再生し、適度に電力を消費させるという手の込みようだった

自殺者も出るO社の手口

「不動産に投資すれば、消費者金融の借金を帳消しにできる。」

O社は消費者金融やカードローンで借金を抱える公務員や会社員を狙い撃ちにした

年収は300万円台でも400万円台でも構わない。どうせ源泉徴収票は偽造するので

売りつけるのは、築30年超で管理状態も悪い、北関東地方の1棟マンション

契約にこぎつけたら、消費者金融への借金は業者が肩代わりして完済する

年収は水増しし、預金通帳も偽造、空室だらけの物件が8割以上埋まっているように偽装もして、社員同士で賃貸借契約書を捏造する

銀行から1億円程度の融資を引き出せれば、もとは6000万円程度の物件なので、数百万円の借金を肩代わりしても十分な利益

O社の客には自己破産するものがめずらしくなく、なかには自殺してしまった人もいるという

有名タレントCMもご用心!

S社では2016年から、有名俳優を起用したテレビCMも流すようになった。その結果、セミナーへの出席者数は大幅に増え、客の属性も高くなった。

それは高値の物件をつかみ、過大なリスクを負う会社員が増えていることの裏返しでもある

Next: 超悪質な不動産業者は野放しの行政。消費者はダマされないで…

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