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コロナ危機、7月の収束を予想する投資家が65%?2020年末までの両極2シナリオとは=吉田繁治

2. 投資家の予想(20年4月初旬の時点)

通貨投資家へのアンケートでは、以下のようになっています。
・米国の新規確認感染数のピークアウトの時期予想を材料に、20年の6~7月までの収束を見ている人が65%
・8~9月以降から2021年に長期化すると想定している人が25%
・残りの10%は不明

NY州のクオモ知事が外出禁止を発令したのは、3月22日でした。その直後は、NY州の確認感染数が1日5,000人から8,000人でした。2週目の1日あたりの増加は8,000人から1万人で安定し、急増の傾向はなくなっています(ただし東京は増加傾向)。

NYでは入院の増加数も鈍っています。確認された新規感染数は、グラフでは4月にはピークアウトしたように見え、8週後の6~7月収束説が出てきたのです。

上記のアンケート結果では、NYダウが37%下落した1番底(3月23日)から回復傾向を続けると予想している人が、投資家の65%(3人のうち2人)の多数派ということです(早期収束派65%)。

6~7月に収束しても、その後の第二波で二番底をつけると見ている人は、25%の小数派です(長期派25%)。

投資家の判断は、今後の米国の、新規の確認感染数にかかっています。あなたは早期収束派、第二波を想定する長期派のどちらでしょう。

(筆者注:メディアがいう感染数は、本当は、PCR検査したあとの確認数としなければなりません。オーストラリアで、無差別にサンプリングしてPCR検査したところ、確認感染数の2倍の感染者がいることがすでに分かっています。豪州より感染率が高い東京では、3倍から4倍でしょうか。)

注目すべきは中国の今後

中国は、国内の新規感染がほぼゼロに下がったとして、武漢の封鎖をも解き、外出・出勤・経済活動が正常化に向かっています(4月10日)。起点になったのは、習近平主席が「3月末に収束」としたことです。

中国での第一波は、2019年の12月からでした。政府が発表する新規感染では、4か月後の3月末に収束しています。現在の新規感染は、海外からの訪中客に限られるという。外出の禁止と隔離を、中国のように徹底すれば、3か月で第一波が収束するのは実証的な事実でしょう。

ただし、武漢には今も1万人から2万人、無症状または軽症の感染者がいるとトランプ大統領は言い、封鎖の解除から第二波も予想されています。

第二波がないのは、市民の60%以上が感染して(無症状は約80%)、抗体ができたときでしょう。武漢は、そうなっているかもしれない(不明)。しかし他の都市では、抗体がなく感染しやすい人が多いはずだからです。

新型コロナウイルスは、生存のために変異し人間に抗体ができても、二度かかるという報告も出始めています。そうすると、第二の波が来ます。WHOの最新の見解では、感染して抗体ができる人と、できない人がいたという。わかっていないことが多い。

初期には「DNA(RNA)に人工でしか作ることができない特徴があり、抗体はできない」という恐ろしいことをいう科学者もいましたが、それに近いような状況が出てきました。

「WHOの感染症専門家、マリア・ファンケルクホーフェ氏は記者会見で、中国上海市で行われた最近の研究から、「(回復後に)検出できるほどの抗体反応を示さなかった人もいれば、非常に高い反応を示した人もいたことが分かった」と説明した。抗体の量が少なければ、再び陽性になる恐れがある。韓国でも、いったん回復してから陽性と診断された人が111人に達した(日経新聞:4月14日:電子版)」

発生源でも、中国政府のいうコウモリか、武漢の研究所で人工のウイルスを接種されていた小動物(マウスやラット)が逃げ、外部に流出したのか、謎のままです。

収束したように見えていた北海道での感染増加もあります。世界的には、感染情報が見えない中国武漢の、封鎖解除のあとを見なければならない(4月下旬)。封鎖の解除は、医学的な見地からではなく、統治のための経済成長に気を使う習近平主席の命令で、行われたからです。

【短期収束:第二波はないとする説】

米国:確認感染数増加は2月から。4か月目は5月(→ 5~6月に収束)
日本:確認感染数増加は3月から。4か月目は6月(→6~7月に収束)

と予想できます。

この見方が、投資家の2/3の多数派です。このため、NYダウは1万8,500ドルの一番底(3月23日)から2万3,900ドル(4月14日)までほぼ半値の5400ドル戻しています(ピークは2万9,500ドル)。

日経平均は、日銀の株ETFの買い(1回2,000億円)を主因に、1万9,600円まで戻したのです。

(筆者注:先進国でもっとも早かったイタリアでは、まだ新規感染増加が続いています。※4月9日は610人、前日比+68人/+12%)。

Next: 実際に、レバレッジをかけて投資している人は、タイミングを誤れば破産に――

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