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天才投資家ジム・ロジャーズが警告「次の金融崩壊が私の人生で最も大きなものになる」=花輪陽子

次の金融崩壊が私の人生で最も大きなものになる

「おそらく、株価の値下がりは今後も続く。50%、60、70%、いやそれ以上だろう。実体経済の落ち込みは、いずれ金融機関の破綻をもたらし金融システム不安を引き起こす。いつとは断言できないが、それは必ず起こる」。

アメリカの景気成長が10年以上続きましたが、これは過去でも最も長い連続記録でした。特に下落直前の2〜3ヶ月に至っては一直線に上昇していました。そのタイミングでFRBは金利を引き下げました。そこから新型肺炎からの経済急停止によって、株価は「I」の字に急落しました。これほど早く、大きく相場が下げたことは初めての経験だと言います。

ロジャーズ氏は次の金融危機が過去最悪になる理由として、世界中の国が非常に大きな債務を抱えている問題を指摘しています。リーマン・ショックの時は中国がキャッシュを抱えており、それによって危機を脱出することができました。しかし、その中国も今では大きな債務を抱えています。

アメリカの中銀のバランスシートは、ここ12年で500%も急拡大しています。この数字は歴史上聞いたことがない莫大なものです。日本でも日銀が無制限のお金を刷って、ETFやREITなどを買い増し、債務をさらに増加しています。

「中央銀行も無限に債務を増やし続けることはできない。いつの日か終わりが来る。ある日突然、相場参加者のモメントが変わるときが必ずやって来る。その局面では、もはや誰も世界経済を救うことはできない。次の危機はそうした最悪の危機になると見ている」。

航空会社、シェール関連企業の破綻は避けられない

ロジャーズ氏は、破綻の連鎖は小さなところから起きると言います。

リーマン・ショックの際にはアイスランドやアイルランドが破綻しましたが、そのことを知っている人はあまり多くありませんでした。ノーザンロックやベアー・スターンズショックが起き、リーマンが破綻した際には日本のメディアでも大注目をされました。

現在はインドの銀行などで債務不履行となっています。また、米中堅シェール企業ホワイティング・ペトロリアムが破綻しました。米デルタ航空はジャンク級に格下げされました(フィッチ)。航空会社や以前からクレジットリスクが指摘されていたシェール関連企業の破綻は避けられそうにありません。

こうした小さい綻びはいずれ大きな問題に繋がると言います。

現在は連銀が大量のお金を刷って、問題をもみ消していますが、金融危機はもう始まりかけているのです。

そして、連鎖して世界中に飛び火が来ると言います。

Next: 世界の中央銀行は、なりふり構わず様々な対策を打っている。それが次の――

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