不安の時代には金や銀に投資するのが正しい
「私は2019年の夏から金を買い始め、それ以降も連続して買い続けている。私はもっと多くの人が金や銀に投資すべきだと思っている。誰もが医療保険や終身保険を持っているように、ポートフォリオとして金や銀を持つべきだ。医療保険や終身保険は、できれば一生使いたくないものだが、それを持っていると安心できるものだ。金や銀もポートフォリオの中で、そのような位置付けにあるべきだ。もちろん、タイミングが合えば大きな利益を生み出してくれる」。
リーマン・ショック時にも金価格は上昇しましたが、ロジャーズ氏は「人々が政府に対して信頼をなくしたとき、金や銀の価格は急騰している」と言います。
現在、金価格は歴史的な高値水準になっています。
「原油」にもチャンスが訪れる?
また、マイナス価格になっている原油に関して、3月末の取材時点ではロジャーズ氏は次のように述べています。
「将来から現在を振り返ったときに、『2015年から2021年の間が複雑な底値だった』と認識するようになるだろう。そして、そこから原油価格はまた上昇する。過去に底値をつけた資産は、複雑な値動きを繰り返し、数年ほど安値近辺で横ばいに推移する。いまがそのときだ。私は原油をショートしていたが、まだ買い戻していない」。
持つべき通貨は「米ドル」
「有事はキャッシュ」ではありますが、持つべき通貨に関しては間違えてしまうととんでもないことになると言います。リーマン・ショックの際にアイスランド・クローナで預金をしていた投資家は、現金をすべて失うことになりました。
「今回、持つべき通貨は、絶対に円でもスイスフランでもない。米ドルが最も魅力的な通貨と考えている」。