8月15日が転換点になるか?
いまのところの推移では、トランプ政権の強烈な中国叩きの目的はこのようなものだ。意図しない武力衝突にまで突き進むとは考えにくい。
しかし、これとは大きく異なる展開になる可能性もあることを頭に入れておいたほうがよいだろう。
それはトランプ政権が、今年の1月に合意した中国との「第1段階の合意」を破棄することである。これを行うと、トランプは中西部の農業生産者の支持を失うことになるので、トランプが大統領選で勝利する可能性はさらに小さくなる。それでもトランプは、大統領選の勝利を捨ててまで、中国をいま押さえ込むというという決断に動いたことになる。選挙の勝利を捨てさせるほどの危機感かもしれない。
またこの交渉の席上で、トランプ政権は、中国にとっては到底受け入れらえない法外な要求をする可能性もある。南沙諸島に中国が建設した軍事施設の撤去かもしれない。撤去しないと、アメリカは軍事力の行使も辞さないという要求である。
万が一でもこの方向に動いたときは、米中の武力衝突も覚悟しなければならない状況になるかもしれない。ちょっとあり得ない話だとは思うが、それが分かるのは8月15日から16日にかけてである。
それというのも、米中両政府は1月に署名した2国間貿易合意を巡り、中国側の合意履行を評価するためのハイレベル協議を8月15日に実施することで合意したからだ。中国政府は米国産の大豆や豚肉、トウモロコシなどの農畜産品の輸入をここ数カ月で増やしているものの、現時点では目標達成に必要なペースを大幅に下回っている。トランプ政権は、合意した額まで輸入量を早急に増やすように要求する模様だ。
しかし、万が一この交渉が完全に決裂し、「第1段階の合意」の破棄まで至るとすれば、米中対立は別な段階に突入する。大統領選の勝利に全力で走っているトランプを見ると、合意の破棄はないとは思うが、万が一でそのような状況になれば事態は急変する。
さらに一歩進んで、トランプ政権が南沙諸島に中国が建設した人工島の撤去を要求し、中国が要求に応じないと攻撃すると脅した場合は、もちろん緊張は確実に高まる。米中対立は別の段階に入る。要注目だ。
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「未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ」(2020年8月7日号)より一部抜粋・再構成
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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