ネイチャー誌「蔓延は長期間続く」
では、このような新型コロナウイルスの蔓延はいつまで続くのだろうか?
有効なワクチンが開発されて、比較的に早期に収束するのだろうか?それとも、ワクチンが効かない危険な進化型の変種が現れて、パンデミックはさらに拡大するのだろうか?ものすごく気になるところである。
そうしたとき、8月5日、世界でもっとも権威のある自然科学誌「ネイチャー」に「2021年以降、パンデミックはどうなるのか?」という題名の論文が掲載された。
この論文によると、新型コロナウイルスのパンデミックが早期に収束する兆候はなく、蔓延は長期間続くだろうとしている。
いま新型コロナウイルスに感染した経験のある人々の体内で検出される抗体は、1カ月から3カ月でその量が4分の1まで減少することが知られている。そのため有効なワクチンが開発されたとしても、ワクチンでできた抗体の持続期間はかなり短い可能性がある。
そのような点を考えると、新型コロナウイルスのパンデミックが少なくとも数年続くというこの「ネイチャー」の予測も納得できる。
この論文では、
1)持続性のある免疫ができるかどうか
2)季節的な流行があるかどうか
3)政府や国民が正し選択をできるかどうか
などの条件によって蔓延は左右されるので、一律に予測することは難しいとしている。
しかし、それでも複数のモデルを総合的に要約すると、以下のような結果になった。
「2021年6月、新型コロナウイルスの蔓延の勢いは減速しつつも、拡大は続いている。ときおり実施されるロックダウンが、日常のニューノーマルになる。抗体が6カ月間継続する有効なワクチンが開発されるものの、国家間の争いから交渉は難航し、ワクチンの流通は遅い。その結果、世界で2億5,000万人が感染し、175万人が死亡する」。
※参考:How the pandemic might play out in 2021 and beyond – nature(2020年8月5日配信)
そしてこの論文では、異なった条件による2021年以降の予測を図にしている。
日本語に翻訳して、以下に転載した。ぜひ見てほしい。
これを見ると、条件によっては2025年までパンデミックは断続的に続くことが分かる。
これは世界全体の予測値だ。では、日本はこれからどうなるのだろうか?日本だけを対象にした長期予測モデルは見当たらない。今後、公開されたら当メルマガでも紹介する。