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コロナは毎年流行か。日本の死者「年末までに倍増」米疾病対策センターAIが予測=高島康司

長期にわたる「脳」への影響

新型コロナウイルスの感染で注目されている発見のひとつは、脳への長期的な影響だ。

ミシガン大学心理学部の研究チームによると、新型コロナウイルスの感染は筋痛性脳脊髄炎や慢性疲労症候群、そしてギラン・バレー症候群などの脳への長期にわたる影響を引き起こす可能性があるという。

新型コロナウイルスは肺だけではなく、脳にも感染が拡大することは知られている。

脳に新型コロナウイルスが侵入すると、脳内に存在する特殊な免疫細胞が活性化する。しかし、それが起きると、免疫細胞は膨大な量の炎症性信号を出す。これによって、神経細胞間の接続は破壊される。

人間の記憶は神経細胞のネットワークによって維持されている。このネットワークが脳内の免疫細胞の暴走によって壊されるので、神経細胞間のネットワークによって維持されていた記憶が失われることを意味している。

病気としては、記憶障害や慢性疲労症候群、さらに筋痛性脳脊髄炎やギラン・バレー症候群などとなって現れ、その影響は新型コロナウイルスの感染から回復後も長期間続く可能性があるという。

無症状や軽症でも発現する「慢性疾患」

このような脳への影響は、重症化して回復した患者にしばしば長期的に見られる症状だという。

しかし、感染者の80%以上を占める無症状や軽症の人々でも、感染の影響として「慢性疾患」が長期的に現れる可能性が指摘されている。

ミネソタ州の大手総合病院、「メイヨークリニック」の新型コロナウイルスの専門家であるグレゴリー・ポーランド博士によると、感染症の回復者から、長期的な疲労、頭痛、めまい、認知障害、脱毛、心機能障害、心筋障害、心筋症、不整脈、心肺機能の低下などが報告されているという。

そして、こうした症状の発現は、重篤の症状からの回復者のみならず、無症状や軽症だった患者にも見られるとして、最大限の注意を喚起している。

また、回復後1カ月から2カ月にわたって続く「凝固異常」という症状もある。これは、血液を凝固させる機能に異常が生じ、身体のあらゆる箇所に血栓ができる血栓症の原因となる。

ポーランド博士は、特に若い人たちは、軽症の病気だと見くびっているという。自分には症状がないので、もう注意しなくてもいいかなと思ってるようだが、データはそうではないことを示唆している。

一度感染すると、無症状や軽症の人々であっても、後に深刻な慢性疾患になる恐れがあるので、絶対に気を緩めてはならないとしている。

日本の新型コロナウイルスの致死率は、欧米に比べると決して高くはない。2.1%ほどである。これはインフルエンザの致死率の0.1%の21倍ではあるが、感染者がバタバタと死ぬという状況ではない。

圧倒的に多数の人々が無症状や、カゼ程度の軽症で回復してしまう。

しかし、だからといって、決して安心してはならない感染症だ、無症状や軽症であっても、長期的な慢性疾患に苦しむことになる可能性があるのだ。とにかく安心してはならない。

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