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孫正義は“損”をしない。PayPay822億円赤字が「計算通り」と言えるワケ=シバタナオキ

ソフトバンクとヤフーの合弁会社「PayPay」の2020年3月期の決算は822億円の赤字を記録するなど、非常に大きな金額の投資がされている状況です。なぜ出資する2社はこれほど大きな金額を投資しても損しないのでしょうか?(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)

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※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2020年8月25日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:シバタ ナオキ
AppGrooves / SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。

コロナ禍におけるZホールディングスの決算

ソフトバンクとヤフーの合弁会社であるPayPay株式会社は、2020年3月期の決算で822億円の赤字を記録するなど、非常に大きな金額の投資がされている状況です。

今回の記事では、ヤフーを中心とした持株会社であるZホールディングス株式会社の決算説明資料を元に、ソフトバンク・ヤフーがPayPayに対してこれほどの投資をしても損をしない理由について、解説していきます。
※参考:Zホールディングス株式会社 決算説明会 2020年度 第1四半期(4-6月期:2020年7月31日)

まず、Zホールディングスのコロナ禍における決算について見ていきましょう。

売上はYoY(前年同期比)で+14.8%の2,738億円、営業利益はYoYで+40.0%の506億円ということで、コロナ禍において絶好調の決算となっています。

コロナによる外出自粛は、ビジネスにプラスにもマイナスにも働く可能性がありますが、Zホールディングスのビジネスには、プラスの影響が大きかったということでしょうか。

コロナの影響については、次のスライドにまとまっています。

このスライドを見ると、プラス影響とマイナス影響が一覧で分かります。

プラス影響としては、新規購入者がYoY+54%、新規出店者がYoY+37%など、EC物販領域の影響が大きそうです。

一方、マイナス影響としては、広告主のマーケティング予算削減、旅行/人材などの広告需要減少など、広告領域における影響が大きくなっていると考えられます。

さらに、こちらのスライドを見ると、eコマース事業は、物販取扱高がYoYで+37.4%、ショッピング事業取扱高のみに限定するとYoYで+85.9%と大幅にプラスとなっていることが分かります。

Next: PayPayブランドが成長に貢献。スーパーアプリ化に成功しつつある

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