すっかりやる気の菅氏。今後のシナリオは?
さて、今後のシナリオだが、まずは議員総会で麻生副総理に首相を移行し、内閣改造を行ったうえで、秋に衆院解散・総選挙で菅氏が首相というのが基本路線である。
菅氏は完全にやる気になっている。器ではないのだが、人がいない。岸田氏は論外であり、石破氏は現政権から完全に嫌われている。
結局は、現政権のきわめて限られた人間で政治が決められているのである。民主主義など存在しないのが、いまの日本の政治であることが明白にわかる事実であろう。
いまの状況では、麻生氏に一時的に権限を移し、そのあとに菅氏に総裁ならびに首相の座を明け渡したうえで、衆院解散・総選挙となる可能性もある。
この場合、自民党内で党首をどうやって決めるかの問題はある。また、首相を民主的に決めることにはならないため、森首相誕生時のような内輪での取り決めへの批判も高まるだろう。
現執行部はこれらを考慮した策を講じることも必要であり、頭の痛いところであろう。
小池百合子、小泉純一郎……役者が続々と集まってくる
最終的には安倍首相が再び健康問題で退陣することになったことは、きわめて残念である。しかし、去る人のことを悪く言っても意味がない。お疲れさまでしたと言おう。そして、早く体調を回復されることをお祈りする。潰瘍性大腸炎に罹るのは、ストレスが大きいという。首相を辞めれば、快復も早いだろう。
あとは、小池都知事がいつどのタイミングで国政に戻ってくるか、である。
最終的には二階氏が何かしらの動きを見せるだろう。場合によっては、小泉純一郎氏も絡んでくるだろう。
自民党は明らかに人不足である。人気と実力を兼ね備えた候補者がいない。どちらかがあればまだましだが、それもいない。内輪で物事を進めてきた安倍政権のツケは、今後の日本に大きくのしかかってくるだろう。
日本の政治が大きく動き始めた。大きな動きである。今後の動きをじっくりとみていきたい。
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本記事は『江守哲の「ニュースの哲人」~日本で報道されない本当の国際情勢と次のシナリオ』2020年8月28日号の一部抜粋です。全文にご興味をお持ちの方は、バックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。本記事で割愛した米国市場や金、原油各市場の詳細な分析もすぐ読めます。
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『江守哲の「ニュースの哲人」~日本で報道されない本当の国際情勢と次のシナリオ』(2020年8月28日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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