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人材不足の自民党に「安倍のほうがマシだった」リスク。後釜は菅か小池百合子か=江守哲

着々と進んでいた退陣準備

その一方で、二階・菅会談が実施されるなど、すでに内閣改造・自民党役員人事や衆院解散・総選挙が視野に入ってきていた。準備は着々と進んでいたのである。

一方、立憲民主党の安住淳国対委員長は記者団に「元気な首相と臨時国会で論戦したい」と気遣いを示すと同時に、「国民も心配になる。その時々で発信してもらった方が良い」ともし、検査結果についてきちんと説明するよう求めている。別の立憲幹部は「薬が効かないとなればまずい」と指摘し、首相の早期辞任に備える意向を示している。すでに気づいているひとは気づいているという状況にあったのだ。

甘利自民党税調会長は25日、懸念される安倍首相の体調について、「盆休み前に会った際の憔悴した様子と比べ、以前の元気な姿に回復している」としていた。そのうえで、9月の党役員人事と内閣改造は首相自らが行い、来年9月まで任期を全うするとの見通しを示していた。

24日の安倍首相の記者とのやり取りを見た甘利氏は、「体調はかなりいいと思う」としている。「お盆休み前に会った時は、正直心配だった。かなり憔悴した表情だったし、声にも力もなかった」としている。体調の悪化は事実だったのだろう。一時は新型コロナウイルス対策に伴うストレスで体調を崩していたようだとの見方を示している。しかし、24日の様子については、「そのときとはまったく様変わりしていた。元に戻ったという感じだった」とした。確かに24日の会見の顔色は良かった。

そのうえで甘利氏は、「安倍首相は来年9月までの任期を全うするだろう」とし、「来月9月の党、内閣の人事も自分でやると言っているようだ。それは、残りの任期をきちんと務めるということだ」とした。観測が浮上する解散・総選挙については「当面ないだろう。首相が決めることだが、コロナ対策に全力を投入すると言っているのだから、当面はないのだろう」とした。

「先延ばし」は限界に来ていた

しかし、これまでの衆院解散時期と株価の関係を考えると、解散を来年に延ばすのは危険である。まして、安倍首相の体調問題がある。

安倍政権は24日、連続在職日数が過去最長となり、党総裁任期は約1年残っていたが、甘利氏は後継者レースについて「もうすでにそれぞれの候補者の動きは始まっている」としていた。

甘利氏は、「岸田氏が党の求心力になればそれにこしたことはないと思っている」とし、岸田文雄政調会長に期待をかけるとしていた。一方で、「岸田氏としては存在感をしっかり示すことができるかどうか次第で、この1〜2カ月が正念場だ」としていた。

私は「辞任は時間の問題である」として、メディアなどで一部のシナリオについて解説済みだったが、やはりそうだった。このメルマガでお伝えできなかったのは、発行のタイミングの問題とはいえ残念である。

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