fbpx

劣等感を疑え。広告で人々のコンプレックスを煽りカネを稼ぐ企業たち=鈴木傾城

ワナだと気付かないと、劣等感を刻み付けられる

広告を無防備に浴びるのが危険なのは、「コンプレックス商法」によって自分が劣等感の塊になるようにワナが仕掛けられているからである。

これに対抗するにはどうすればいいのか。

まずは、それが「劣等感を植え付けるワナである」と気付けばいい。ワナが仕掛けられていると知っていて接するのと、何も考えないで接するのとでは、受け止め方がまったく違ったものになる。

ワナが見えると、「この企業は儲けのためにコンプレックス商法を仕掛けている。おぞましい」と一定の距離感が持てる。

それがないと「自分は他人より劣っているのだ」と企業の術中に落とされて、無用な劣等感を心の中に植え付けられて、以後は企業の広告にコントロールされることになる。

巧妙に仕組まれた「劣等感のワナ」

コンプレックス商法を仕掛ける企業の広告は巧みである。

劣等感を感じている人を登場させて我が身のように共感させ、その人が広告商品で幸せになっていくようなストーリーを描くことが多い。

実は共感させることで視聴者にも劣等感を植え付けているのだが、そう感じないように巧妙に実体を隠す。

たとえば東南アジアでは、肌の黒い女性が登場して肌が黒くて悩んでいたところを、ある商品を使ったところで肌が白くなって人生がバラ色になったという広告がよく見られる。

典型的な「コンプレックス商法」だが、これでこの広告の主人公に共感すると、「肌が黒い=悪いこと=自分も黒い=劣等感」という企業の仕掛けたワナに落ちることになる。視聴者はそれに気付かない。

共感があると、「肌が黒い=悪いこと=誰がそんなことを決めた?」とならないのである。

だから、今まで自分の褐色の肌も美しいと思っていた女性も、やがて肌の黒さに劣等感を持っていくようになるのである。

Next: その劣等感はどこから来た? まずはワナだと気がつくこと

1 2 3 4
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー