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日経平均29年ぶり高値更新、今からでも急騰相場に乗りたい3つの理由=藤井まり子

なぜ急騰相場が出現?

先週から今週にかけて、株式市場が爆上げを続ける中で、アメリカ金利市場やグローバルな為替市場では、ドラスティックな変化が起きていました。

先週11月2日から6日までの内外の株式市場では、「わずか4営業日でロケット噴射のような急上昇」が起きました。この時の株価の押し上げ要因は、アメリカの長期金利の「0.89%から0.76%への急低下」でした。

以下は詳しい解説です。大統領選挙「前」までは、アメリカ国債市場のトレーダーたちの間では、「大統領選、上院・下院、すべて民主党が総取りすること(トリプルブルー)」「その結果、来年は2兆ドルを超える大型の財政刺激策が発動されことる」を見込んで、「長期金利の上昇」に賭けている人々が多かったです。すなわち、選挙前までは、彼らは、長期国債などの国債マーケットで「(長期金利の上げに賭ける)売りポジション」を積み上げていました。

ところが、ところが、彼らトレーダーたちは、開票が進むにつれて、「トリプルブルーとはならないこと、来年の財政刺激策は当初の想定ほどには大規模にならないこと(=予想がはずれたこと)」に気づき、彼らは大急慌てでポジションを圧縮します。

その結果、アメリカの金利市場では長期金利が上記のように急低下。この長期金利の急低下を受けて、「国債保有よりも株式保有が相対的に有利」ということになり、株式市場では「バリュー株からグロール株へのドラスティックな組み替え」を伴いながら「株価の急騰」が巻き起きました。

穏やかな長期金利の上昇と穏やかなドル安トレンドの始まり

先週末からすでに、当メルマガでは、こういった「株価の噴射のような急上昇」は、短期的なもので、「遅かれ早かれ、内外の株式市場では、穏やかな長期金利の上昇を伴う、穏やかな株価の上昇」トレンドが戻るだろうと見越していました。

ところが、ところがです。今週に入って、マーケットは私の期待をさらに「良い意味」で大きく上回ってくれました。11月9日のアジアマーケットでは、大統領選挙を終えて、アメリカの長期金利は「極めて穏やかな、穏やかすぎるくらいの上昇」気流に乗り始めていました。為替市場でも「極めて穏やかな、穏やか過ぎるくらいのドル安」が始まったように見受けられました。

これは、「グローバル経済が手堅い回復軌道に乗った」時に決まって現れる「景気回復の象徴的な現象」であり、シグナルです。

内外の株式市場では、絵に描いたような「理想のリスクオン」相場が選挙後わずか1日で出現。始まったと言えるでしょう。

人民元高は特に歓迎すべきこと

特に歓迎すべきは、誰もが待ちに待っていた「中国人民元高・ドル安」が始まったことです。

振り返ると、米中貿易摩擦が激化していた頃は、人民元は対ドルで1ドル7.00人民元台にまで下落していました。トランプ大統領が大統領令を次々と発令して対中関税を次々と引き上げたので、中国習近平氏は自国の輸出業者を守るために、人民元を意図的に安めに誘導していたのです。

ところが、バイデン氏が次期大統領に決定すると、おそらく中国政府は「バイデン次期大統領は大統領令を発動して対中関税を引き下げるだろう」と踏んだのでしょう。早々と人民元を対ドルでの高め誘導を開始しました。

今週に入ってから、人民元は対ドルで6.60人民元あたりまで上昇してきています。もちろん、まっ先にコロナ禍を制圧した中国では、その経済は先進各国経済よりも一足先に力強い回復軌道に乗っています。

人民元/円 日足(SBI証券提供)

人民元/円 日足(SBI証券提供)

人民元高は、「アメリカをはじめとする先進諸国への輸出」で中国と競合関係にある「アジアなどの新興国群」にとっては、「恵みの雨」です。

そして、(いろいろご意見もあるでしょうが、)中国への輸出に大きく依存している日本経済にとっても、中国人民元の上昇は「恵みの雨」です。

アフターコロナ時代では、アメリカ経済と中国経済の二大大国が再び世界経済を牽引してゆくことでしょう。

「先進国群の通貨安・新興国群の通貨高」トレンドは、為替市場が最も理想とする「グローバル経済が再び繁栄を取り戻す時」に決まって現れる「極めて理想的なの為替市場の姿」なのです。

「アメリカの長期金利の穏やかな上昇」と並ぶ「理想的な為替のトレンド」が、わずか1日で、11月9日のアジアマーケットでドラスティックに出現したのです。これを内外の株式市場が歓喜しないはずはありません。

Next: 今からでも乗るべき? 市場が大歓迎する「3つの強気材料」

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