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史上初3万ドル到達のNYダウこそ米国経済の活力源。日経平均と雲泥の差=高梨彰

NYダウが史上初の3万ドルに到達。構成銘柄30種には米国経済史が反映されています。NYダウの子分たる日経平均株価も追従するでしょうか?(『高梨彰『しん・古今東西』高梨彰)

※本記事は有料メルマガ『高梨彰『しん・古今東西』』2020年11月25日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:高梨彰(たかなし あきら)
日本証券アナリスト協会検定会員。埼玉県立浦和高校・慶応義塾大学経済学部卒業。証券・銀行にて、米国債をはじめ債券・為替トレーディングに従事。投資顧問会社では、ファンドマネージャーとして外債を中心に年金・投信運用を担当。現在は大手銀行グループにて、チーフストラテジスト、ALMにおける経済・金融市場見通し並びに運用戦略立案を担当。講演・セミナー講師多数。

NYダウって何?

NYダウ3万ドル到達。ということでWSJ(ウォールストリートジャーナル:Wall Street Journal)ウェブ版に「NYダウってなぁに?」というQ&Aが掲載されています。

いくつか引用、の前に「NYダウ」の正式名称をまず記しますと「the Dow Jones Industrial Average」。直訳すると「ダウジョーンズ工業平均」で、「ダウ平均株価」とか「ダウ工業株価」などと訳されます。WSJ日本語版では「ダウ工業株30種平均」と表記。米国最大の証券市場NY(ニューヨーク)で上場・取引されることから、通称として「NYダウ」が用いられます。

NYダウ 日足(SBI証券提供)

NYダウ 日足(SBI証券提供)

ここからはWSJの引用を中心に…。NYダウは株価指数の一種、30の企業で構成されます。30の株価の「平均」を出したものです。何で「平均」とカッコを付けているかと言えば、単純な株価の平均ではなく、いわゆる「みなし株価」の平均を出しているためです。構成銘柄を入れ替えるとき、30ドルの株と300ドルの株を何の調整も無く入れ替えれば、NYダウ株価自体は上がりますが、指数がまったく別物になってしまいます。これを避けるための調整を随時実施しています。このNYダウに沿って出来たのが、日経平均株価です。

NYダウは誰が作ったか。WSJのチャールズ・ダウさんです。当初は12銘柄の平均株価で、1896年からWSJに掲載されています。これが1916年に20銘柄、1928年に30銘柄に増え、現在に至っています。

そして、NYダウの構成銘柄に誕生当初からずっと入り続けている企業はあるのか?その答えは「ありません」。

2018年までGE(ゼネラル・エレクトリック:General Electric)がオリジナルメンバーとして入っていましたが、経営の厳しさと共にWBA(ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス)と入れ替えになってしまいました。現在の30銘柄の中ではP&G(プロクター・アンドギャンブル)の1932年が最古参となっています。GEの株価は年々ジリ貧推移。もしGEがNYダウ構成銘柄に入ったままだったら、3万ドル到達も少し遅れていたかもしれません。

こんな感じで、少し記すだけでもNYダウは米国経済史そのものという印象を与えます。

Next: NYダウの子分「日経平均株価」も追従するか?

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