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株価急騰「アドバンテスト」は買いか?NVIDIA関連銘柄のリスクと成長性を長期投資のプロが徹底分析=元村浩之

近年、日本株式市場を最も賑わせている銘柄の1つにアドバンテスト<6857>があります。NVIDIA関連株として広く認識されていますが、具体的にNVIDIAとどのような形で関連し、なぜこれほどまでに業績が絶好調なのか、その詳細を把握していない方も多いのではないでしょうか。今回は、アドバンテストの業績動向、中核事業、NVIDIAとの関係性の深さ、そして今後の成長を支える要因と、投資家が注意すべきリスクについて詳細に解説します。(『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』元村浩之)

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プロフィール:元村 浩之(もとむら ひろゆき)
つばめ投資顧問アナリスト。1982年、長崎県生まれ。県立宗像高校、長崎大学工学部卒業。大手スポーツ小売企業入社後、店舗運営業務に従事する傍ら、ビジネスブレークスルー(BBT)大学・大学院にて企業分析スキルを習得。2022年につばめ投資顧問に入社。長期投資を通じて顧客の幸せに資するべく、経済動向、個別銘柄分析、運営サポート業務を行っている。

絶好調の業績と株価の推移

アドバンテストの業績は近年、急激な右肩上がりの成長を見せています。

<業績の加速(2021年3月期以降)>

  • 2021年3月期頃から、売上・利益ともに右肩上がりの成長が加速しました。
  • 2024年3月期には一時的に前年度の売上・営業利益を下回る見込みでしたが、2025年3月期には猛烈なスピードで再び売上・営業利益ともに成長している状況です。

<株価の爆騰>

業績の好調に連動し、株価も特に今年に入ってから爆騰しています。

アドバンテスト<6857> 週足(SBI証券提供)

アドバンテスト<6857> 週足(SBI証券提供)

  • 2025年4月に相場が大暴落した後、株価は一時的に23,600円まで上昇し、これは約5倍の上昇率に相当します。
  • 現在では19,000円程度に落ち着いていますが、その凄まじい成長ぶりが伺えます。

アドバンテストの事業内容:半導体テスト装置のトップランナー

そもそもアドバンテストがどのような事業を行っているかというと、半導体チップを電気的にテストする装置を手掛けている会社です。

半導体は電気を通したり通さなかったりすることで様々な制御を行いますが、アドバンテストの装置は以下の段階で重要な役割を果たします。

  1. 開発段階
  2. 製造後の出荷前

これらの段階で、製品が設計通りに動くか、不具合がないかを電気的にテストし、チップ1つ1つが正常に作動するかを確認します。

成長の鍵:SOCテストシステムとは?

アドバンテストの売上の大半を占めているのがテストシステムの販売です。特に、直近1年半で急激に伸びているのが「SOCテストシステム」と呼ばれる分野です。

このSOCテストシステムは、全社売上の約6割から7割を占めていると推計されています。

<SOC(システム・オン・チップ)の役割>

SOCとは「System On Chip(システム・オン・チップ)」の略称です。

  • 定義:
  • 複数の異なる性能を持つ半導体(CPU、GPU、メモリなど)を一つのチップにまとめ、頭脳的な役割を果たすものです。

  • 主な用途:
  • スマートフォンを動かす頭脳的な役割のチップ、そして足元で需要が伸びているAI半導体もSOCの一種です。

アドバンテストのSOCテストシステムが伸びているのは、まさにこのAIサーバーの需要拡大に伴い、AIサーバー向けのチップ(NVIDIAのGPUなど)のテスト需要が増加しているためです。

Next: 競合他社と何が違う?NVIDIAとの強固な関係も

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