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アドバンクリエ Research Memo(3):保険選びサイト「保険市場」を運営する独立系保険代理店の大手(2)

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■アドバンスクリエイト<8798>の事業概要

1. 事業の内容の続き
(2) ASP事業
ASP事業は、Salesforceのクラウドサービスを活用して社内用に開発・利用してきた顧客管理システム「御用聞き」や申込共通プラットフォームシステム「丁稚(DECHI)」、オンラインビデオ通話システム「Dynamic OMO」などを、主に保険代理店向けに外販する事業である。売上高は、契約ID数ごとの月額利用料の計上に加え、導入支援料なども計上している。また、2023年にAVITAと販売代理店契約を締結し、AVITAが提供するアバターサービスと「Dynamic OMO」を組み合わせたアバター接客システムや、人材育成用のアバターAIロープレ支援サービス「アバトレ」を提供している。

主力サービスである「御用聞き」の特徴は、クラウドサービスにより低コストで利用が可能なこと、保険業法や個人情報保護法等の関係法令に準拠しておりスムーズな顧客情報の管理・共有が可能なこと、各保険商品の手数料データの取り込みができること、歩合外務員の歩合率を設定する機能や報酬計算機能などを備えていることなどが挙げられる。乗合代理店では多くの保険商品を取り扱っており、保険商品ごとに手数料が異なるなど複雑な仕組みとなっているため、これらを一元管理できる「御用聞き」は業務効率向上支援ツールとして導入が進んでいる。

「丁稚(DECHI)」は同社が構築する共通プラットフォームシステム「ACP(Advance Create Cloud Platform)」と保険会社の基幹システムを連携させることで、保険申込書や設計書の素早く正確な作成をサポートするツールである。入力時間の短縮と入力ミスなどを防ぎ、顧客の待ち時間も短縮できるなど、乗合代理店にとって生産性並びに顧客満足度の向上につながるサービスとして導入が進んでいる。「丁稚(DECHI)」は「御用聞き」を利用していない代理店でも自社のCRMシステムを「ACP」と連携することで利用が可能となっている。

「Dynamic OMO」は、社内で実際に利用する社員の要望を反映した機能を実装するなど、サービス開始当初は汎用のビデオ通話システムと比較して利便性に優れていたことが評価され、順調に契約数を伸ばしていたが、競合サービスの機能が充実してきたこともあり、契約ID数は2023年3月をピークに減少傾向となっている。

そのほか、同社が自社開発した保険証券管理アプリ「folder」の外販を行っている(外販向けは1割強)。「folder」は保険証券をスマートフォンで撮影することによりクラウド上で管理できるほか、保障の過不足診断、年金・教育費シミュレーション、家族との保険契約情報の共有など様々な機能を実装している。同アプリは顧客との長期的な関係を構築し、保険検討時の「最初の接点」として収益機会を獲得するための有力ツールとなるため、今後も継続的に機能強化を進める考えだ。外販は、登録ID数のレンジごとに月額課金するビジネスモデル(サーバー費用含む)である。

これらサービスの販売ターゲットは、提携代理店のほか複数の保険会社の商品を扱う乗合代理店及び保険会社である(オンラインビデオ通話システム「Dynamic OMO」は他業種でも利用可能)。募集人の数は国内で100万人規模となり、このうち乗合代理店が数十万人規模、同社の提携代理店だけでも5万人超の規模となる。注目すべき点は、これらシステムは社内利用を目的に開発されたため開発費負担がほとんどかからず、高い収益性が期待できることにある(2025年9月期の営業利益率で40.6%)。売上規模は小さいものの、今後も安定収益源として収益を下支えするものと考えられる。

(3) メディア事業
メディア事業では、保険選びサイト「保険市場」を広告媒体とする広告枠の販売を行っている。国内最大級の保険選びサイトとしてのブランドを確立しており、保険への関心が高い顧客層に直接アプローチできるため、広告主も保険会社や保険代理店が大半で広告単価も比較的安定している。広告出稿は保険会社の年度末近くの1~3月、同社の決算期では第2四半期に集中する傾向にある。

(4) メディアレップ事業
メディアレップ事業は、自社で蓄積してきた広告運用業務のノウハウを用いて、保険会社向けにSEO対策を中心とした広告運用サービスを行う広告代理店ビジネスである。

(5) 再保険事業
再保険事業は、同社が保険代理店として獲得した保険契約の一部について、元受保険会社とAdvance Create Reinsurance Incorporatedとの間で再保険契約を結び、再保険料を得るビジネスである。ストック型のビジネスモデルであるため期初段階でほぼ年間の収入見通しが把握でき、大規模自然災害や環境の変化によって保険会社の保険金支払額が想定を大きく超えない限りは、営業利益率で15%前後の高収益性と安定性が期待できる事業である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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