LINEグループから300億円の出資を受けた出前館、今後の伸び代は? 今回は出前館の将来性について、フードデリバリー事業で巨大な売上をあげているアメリカのGrubhubと中国の美団点評を比較してみます。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)
(※筆者注:この記事はYusuke Gotoさんとの共同制作です。共同制作者のYusuke Gotoさんは、SaaSビジネスのマーケティングを担当されているサウナ好きのライターさんです。)
※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2020年4月9日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
AppGrooves / SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。
出前館に伸び代はあるか?
今回は、先日LINEグループから300億円の追加出資を受けると発表があった出前館と、フードデリバリー事業で巨大な売上をあげているアメリカのGrubhubと中国の美団点評を比較してみます。
※全て直近で発表されている四半期の決算数値で比較します。出前館:2020年度Q2(2019年12月~2020年2月)、Grubhub:2019年度Q4(2019年9月~12月)、美団点評:2019年度Q3(2019年7月~9月)
2020年8月期(第21期)第2四半期決算説明会
2020年8月期第2四半期決算短信
2020年8月期 第1四半期報告書
2019年8月期(第20期)決算説明会資料
Grubhub Reports Fourth Quarter And Full Year 2019 Results
ANNOUNCEMENT OF THE RESULTS FOR THE THREE MONTHS ENDED SEPTEMBER 30, 2019
各社の会社概要
まずはじめに、それぞれの企業について簡単に説明をしていきます。
1.出前館
出前館は2000年から日本で運営されている、飲食店と出前を頼みたいユーザーを結ぶフードデリバリーのポータルサイト。先日、LINEグループから300億円の追加出資を受け、実質子会社化されることが話題になりました。
2.Grubhub
Grubhubは、シカゴに拠点を置き、アメリカとイギリス・ロンドンでフードデリバリーサービスを提供している全米一位のフードデリバリープラットフォーム。先日、コロナウィルスの影響の受けた独立系レストランからの手数料徴収を一時的に停止すると発表しました。
3.美団点評
美団点評は口コミグルメサイトの点評と、オンライン共同購入型クーポンを販売する美団が2015年に合併しサービスを開始した北京に拠点を置く企業。世界最大規模のフードデリバリー事業などのオンデマンドサービスを展開しています。
各社の会社概要
次に各社の決算を見てみましょう。
美団点評の四半期売上高は全社で4,260億円、売上高の成長率は前年同期比+44.1%と共に高い数値を記録しています。
出前館は四半期における全事業の合計売上高が約20億円、売上高前年同期比は+19.3%と成長しています。
しかし、出前館とGrubhubは、成長のための投資が先行しているため、四半期単体で見ると営業利益が赤字になっている状況です。
フードデリバリー事業単体で見ると、出前館は+26.7%と全社で見たときよりも、高い成長率を記録している状況です。