空売り心得 / 原油見通し / 追加緩和 / 発言者の出身母体の重要性について=山崎和邦

投資歴54年の山崎和邦氏が思い出の投機家や重大事件を振り返る本連載。今回は特別編として、好評配信中の有料メルマガ『投機の流儀』より、現役投資家と山崎氏のリアルタイムなやりとりをお届けします。空売りの心得、原油相場の見通し、日銀追加緩和のゆくえのほか、アナリストの意見を聞くときに重要な「出身母体」の見極めについて山崎氏がアドバイス!

山崎和邦 週報『投機の流儀』vol.176 2015/10/18号より、マネーボイス編集部にて再構成

愛知県Tさんからの「投資期間、空売り、原油相場」についての質問

現役投資家・愛知県のTさんからの質問:

山崎先生こんにちは。愛知県のTです。

このたびは、山崎先生の新々株式実践論セットを購入し、勉強させて頂きました。ありがとうございました。ご著書では読んでいましたが、山崎先生がいまだに夢にうなされるという空売りの怖さを感じたり、山崎先生の実際の売買記録を見せていただいて、「こうやって、少しずつ買い、少しずつ売るのだ!」ということが、よくわかりました。

そして、買ってから売るまでに、早くても半年から1年くらいはホールドしていることもわかりました。僕は短気売買をしていて、アベノミクス相場で儲けましたが、その後の下げで損を出してしまいました。トータルで言えばプラスですが、自分の力のなさを感じ、週報を読ませていただくことになりました。

今回、僕が学んだことは、僕のような初心者は、あまり無理をせず、次の大きなトレンドが出るまで何もしないことが大切ではないか?ということです。次の大底が来るまでに、資金が尽きてしまわぬように、休むも相場でいこう!と思いました。

次に、相場についての質問ですが、山崎先生は、空売りはしないけれども、日経平均を売ることはやる!と言われていました。僕は、空売りが出来ないので、日経ダブルインバース<1357>を買って、下げ相場で一度儲けてみたいものだ!と思っていますが、山崎先生が日経平均を空売りされる時には、週報で教えて頂けますでしょうか…!?

また、最近、値を戻してきたWTI原油ETF<1671>の買い場はいくらくらいでしょうか…?前回、急落の時に、怖くなって売ってしまって、少しばかりの損を出しましたので、挽回できるのであれば、少しチャレンジしてみたい気もしているのですが、いかがでしょうか…?ご教授いただければ幸いです。よろしくお願い致します。ありがとうございました。

山崎和邦の回答:

新々株式実践論セットや拙著をご購入いただき、こちらこそ、ありがとうございます。

空売りに限らず、ヒトは市場で完璧では絶対あり得ない、これだけは完璧な事実です。故に自分の不完全さをヘッジするために何回も売り上がる、買い下がる、ということをします。

大天井を見た後で売りを決めろとモノの本には書いてあるが、そんなことは普通の人には絶対できません。天井圏の「高値覚えという病い」に取りつかれるからです。「もどり待ちに戻りなし」「押し目待ちに押し目なし」です。

買うときも同じです。下がりきってリバウンドすれば底値での「安値覚え」という病気に取りつかれるから買えません。そこで「落ちてゆくナイフを空中で掴む」(ニコラス・ダーヴァスの言葉)のです。

投資期間については、以前に書いたエッセイ(大型銘柄を徹底ナンピンし、株券を“焼き捨てる”Tさんの投資術)もぜひ読み返してください。

誰でもある期間だけをとれば儲けるものです。だが、最終的に換金完了していなければ株は完成品でなく未完製品です。

また、週報『投機の流儀』は、投資指南書ではなく、投資に一番大切な「心得」とでも言うべきものを種々の出来事に関連して述べてきたものです。世界のどんな出来事も、株式市場に無関係のものはありません。その点に留意して購読いただくのがよろしいかと思われます。

「初心者は、あまり無理をせず、次の大きなトレンドが出るまで何もしないことが大切ではないか?」これは、金融資産を構築するためには正しいでしょう、だが、ただ休んでいては次の好機を必ず見そこないます。常に市場と「付かず離れず」の距離を置いていなければなりません。

本稿に何度も書いたと思うが「一足一刀の間境(いっそくいっとうのまざかい)」を思い出して下さい。「睡猫の位(すいびょうのくらい)」も思い出して下さい。「休むも相場」と言うときの「休む」とは何か。上記のことを銘記してください。こちらの記事(「十年兵を養うはこの日のため」が示す投資の極意とは?)もご参考に。

Next: 山崎氏の考える「空売り」のポイント / 原油相場の見通し

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山崎和邦(やまざきかずくに)

山崎和邦

1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院特任教授、同大学名誉教授。

大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴54年、前半は野村證券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。

趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12を30年堅持したが今は18)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。

著書に「投機学入門ー不滅の相場常勝哲学」(講談社文庫)、「投資詐欺」(同)、「株で4倍儲ける本」(中経出版)、近著3刷重版「常識力で勝つ 超正統派株式投資法」(角川学芸出版)等。

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