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「パナマ文書」をリークした米国の狙い~資金源に共和党、ソロスも=高島康司

カラー革命やアラブの春も、NGOを利用した米国の国策だった

ところでアメリカは、国外の政権の転覆などの外交政策の実現のために、NGOを国策機関として活用している。

たとえば2000年から2005年まで続き、セルビア、グルジア、ウクライナ、キルギスなどおもに旧ソビエト地域の親ロシア派の政権を打倒した「カラー革命」では、革命を主導した反政府青年組織の結成に関与し、資金を提供して訓練したのが米政府と関係の強いNGOであった。

それらは、米国務省系の人権団体「フリーダムハウス」、共和党系の「国際共和党機関」、民主党系の「全国民主党機関」、米政府の「合衆国国際開発庁」、そして投資家ジョージ・ソロスの「オープンソサエティー」などの組織である。

さらに、2010年12月に北アフリカのチュニジアで始まり、中東全域に拡大した「アラブの春」では、米国務省が2008年に立ち上げた「青年連帯運動」に結集した青年組織を、「フリーダムハウス」などの「カラー革命」に関与したと同じNGOが支援した。

そして大規模な反政府活動の実地訓練は、革命コンサルタントの異名をもつ「CANVAS」という組織が実施したことはよく知られている。これらのことは、ニューヨークタイムスなどの主要メディアの記事でも明らかになっている。

このように、「カラー革命」や「アラブの春」には多くのアメリカの政府系のNGOがかかわっている。これらのNGOは、まさに米政府の国策機関だといってもよいだろう。

そして、今回の「パナマ文書」をリークした「ICIJ」や「CPI」の活動資金は、「カラー革命」や「アラブの春」を主導したNGOに資金を提供した同じ団体が提供している。

たとえば「CPI」の大口の献金者である「フォード・ファウンデーション」や米政府の「合衆国国際開発庁」は、「カラー革命」と「アラブの春」で重要な役割を果たした「フリーダムハウス」の主要な資金提供者でもある。

これを見ると、今回の「パナマ文書」のリークには「カラー革命」や「アラブの春」を画策した同じ組織や団体が深く関与しており、まさにアメリカの外交政策を実行するために引き起こされた意図的な事件であると結論して間違いないように思う。

これは、特定の国々に米政府系のNGOを派遣して反政府活動を組織し、米政府の外交政策を実現した「カラー革命」や「アラブの春」と同じ手口だ。

Next: トランプ降ろしか、北朝鮮攻撃か。米政府の狙いとは?

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