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「パナマ文書」をリークした米国の狙い~資金源に共和党、ソロスも=高島康司

国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)は米政府の国策機関だ

調べて見ると、「パナマ文書」の情報が最初に報道されたのは今回が初めてではなかった。すでに16カ月前、徹底した取材で有名な独立系メディア「VICE」で、調査ジャーナリストのケン・シルベスタースタインが「モサック・フォンセカ」の怪しい業務について報じていた。

その後、ちょうど1年前、ドイツ、ミュンヘン市の日刊紙「南ドイツ新聞」に「モサック・フォンセカ」が登記にかかわった21万4000社のリストが、匿名の人物によって持ち込まれた。「南ドイツ新聞」は「ICIJ」と協力し、これらのペーパーカンパニーを所有している人物の名前を明らかにした。そして今回、「ICIJ」の手によってこれにかかわった著名人の名前が一部公表された。

当然この経緯だけからは、米政治家の名前が含まれていないという不自然な状況の説明にはならない。もしかしたら、これを公表した「ICIJ」という団体にカギがあるかもしれない。これまでこの団体の名前を聞いたことのある人は少ないはずだが、「ICIJ」とはいったいどのような団体なのだろうか?

これも調べて見るとすぐに分かるが、「ICIJ」は独立した団体ではない。アメリカの非営利の調査報道団体「センター・フォー・パブリック・インテグリティ(CPI)」に属するプロジェクトの名称だ。

ちなみに「CPI」は、国際的なジャーナリストのチームを組織し、「越境犯罪、汚職や権力の説明責任」などの問題に焦点を当てるため、1996年に結成されたアメリカのNGOである。現在、60カ国以上から160人の会員ジャーナリストが在籍し、国際的な犯罪に関わる様々な調査を行っている。

「ICIJ」はここの「組織犯罪と汚職の報告プロジェクト」という部門に属している。いわば「ICIJ」は、親組織である「CPI」の理念を実現する現場の調査プロジェクトであるようだ。

そして「CPI」のサイトでこの組織の資金源を調べると、興味深いことが分かる。次の組織が資金のおもな提供者であることが明確に記載されている。

  • フォード・ファウンデーション
  • カーネギー財団
  • ロックフェラー家財団
  • WKケロッグ・ファウンデーション
  • オープンソサエティー

長くなるのでいちいち解説しないが、これらの団体は米国務省共和党とつながりが強い団体ばかりであることに気づく。また「オープンソサエティー」は、ジョージ・ソロスが設立した財団である。

さらに、「ICIJ」の上位組織である「組織犯罪と汚職の報告プロジェクト」は、米政府の海外援助を実施する「合衆国国際開発庁(USAID)」から直接資金の提供を受けている。

こうした事実を見ると、「パナマ文書」をリークした「ICIJ」やその親組織の「CPI」は、米政府の国策機関である可能性が非常に高い。もしそうであれば、公表された「パナマ文書」にアメリカの政治家の名前が一切含まれていないことの説明がつく。

Next: カラー革命やアラブの春も、NGOを利用した米国の国策だった

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