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Apple Carは今年9月発売が有力!アップル株の上値余地と大穴関連銘柄=栫井駿介

アップルの得意技は「市場を奪う」こと

もっと言うならばアップルはこの既存のカテゴリーの商品を、より使いやすくより便利にすることによって市場をどんどん奪ってきた会社ということができると思います。

例えば、かつて音楽を持ち歩こうと思ったらソニーのウォークマンが一世を風靡したのですが、これに対してiPodを発売することによって、今まで持ち歩こうと思ったらMDやカセットテープを持ち歩かなければいけなかったのですが、mp3にすることでその必要をなくし、すべてが1台に入っているという状況を作り上げました。これによって高いシェアを奪ってきました。

また、日本ではガラパゴス携帯の時代から「iモード」などを使ってインターネットをすることができたのですけれども、それをスマートフォンにすることによって、パソコンと同じような感覚で、あるいはアプリというものによってパソコンよりも使いやすくすることができて、これもまた世界を席巻しました。

さらにはBluetoothイヤホンもこの形で充電能力を引き上げたり、扱いやすくしたことによって、今やBluetoothイヤホンの市場がどんどん活性化しているという状況にあります。

この流れの中に自動車の新しい製品として「アップルカー」が出てきても、私は全然おかしくないのではないかと思います。

自動車業界参入のハードルは高い

ただ、そう簡単ではないという側面もあります。何故なら車というのは、これらの商品と比べても断然に難しいということが挙げられます。

何より人の命を預かるものですから、少しでも間違いがあってはいけないわけです。既存の自動車会社というのも安全技術に関しては、これまで長い時間をかけて培ってきたものがあります。また電気自動車はエンジンで動く自動車に比べると部品点数が3分の1になって、よりシンプルに作れるとも言われるのですが、そうは言っても人間に危険が及ばないように丁寧に作る、あるいは部品同士の擦り合わせを正確にやっていくということを考えると、そこまで簡単ではないということは言っておきたいと思います。

アップルが作るにしても軽い気持ちで出してしまったら、それこそ人命を奪うということになってしまいかねませんから、そこにはやはり高いハードルが存在すると思います。

また、作るにしてもたくさん作らないといけません。部品点数が3分の1になったからといっても、たくさんの部品が必要になることは間違いありませんから、それらのサプライチェーンを作り上げていかなければなりません。それを台湾で作っているということなんですけれども、世界中で作ろうと思ったらたくさんの工場が必要ですし、またそこで働く従業員なんかも必要になってきます。

そんなことから治験的に最初は小さく始めるならともかく、これを世界中で売ろうと思ったら、やはり相当な時間と労力が必要になっていきます。

しかも、作ったとしても今度は販売しないといけません。通常、自動車を買う場合はディーラーに行って販売店で買うということになると思います。iPhoneであれば家電量販店でも売れますし、ネットで買っても特に問題はなかったかと思いますが、車だと車検があったり、点検があったりと、そう簡単にはいかない部分も多いと思います。

「製造と販売」というこれらのサプライチェーンを世界中で作り上げていくのは、決して容易ではないという風に考えます。

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