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「預金するほど金が減る」世界の新常識。日本もスイス系銀行に追従

スイス系銀行で、顧客預金に対して保管手数料をさら厳しく徴収していくとの海外報道が出ました。翻訳しながら要点を解説します。日本も近い将来、必ず同じ道を進みます。(『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』)

※本記事は、『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』2021年1月23日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

銀行に預ければ預けるほど、目減りするようになる

給与振り込みの口座以外は、保管手数料と称して、マイナス金利で預金額は減らされる流れにあります。

預金者は、自然とその給与振込口座へと現金を集約して行き、政府は国民背番号と組み合わせて、簡単に補足ができる。

これが世界の趨勢(すうせい)でしょう。

スイス系銀行で、顧客預金に対して保管手数料をさら厳しく徴収していくとの海外報道が出ました。翻訳しながら要点をまとめます。日本も近い将来、必ず同じ道を進みます。

スイスのUBS銀行グループは今後、スイス中央銀行の金融政策としてマイナス金利の深堀りが予想されるため、対応策として顧客預金の保管手数料の上限限度額を引き下げる。

同銀行内のメモによると、今年(2021年)7月から、25万スイスフラン(28万ドル)以上の預金に対して、保管手数料を徴収するとのことである。

現在の手数料を徴収する預金限度額は、200万スイスフラン以上。つまり、保管手数料が徴収される対象預金顧客が大幅に増えることになる。

ただし、同行で住宅ローンを組んでいる顧客及びUBSが運営しているファンドに投資している顧客に対しては、預金保管手数料を徴収しない。

欧州の多くの銀行は、預金にマイナス金利(預金手数料の徴収)を適用して、預金顧客を他の金融商品の投資へと誘導している。

今年、UBS銀行グループは海外在住の預金客に対して、当座預金額が50万フラン以下の口座について毎月330フランの手数料を取りだした。

競合するCredit Suisse銀行グループも200万スイスフラン以上の顧客に対して、同様の預金手数料を徴収している。

なお、採算改善策として、UBS銀行グループはスイス国内の支店40カ所を3月に閉鎖すると決めて
いる。リストラ対象となる銀行員150人はデジタル化に対応するための部署に配置転換され、今後はデジタル化の社内教育を受ける予定。

競合するCredit Suisse銀行も 同様に国内の支店閉鎖と500人程度の人員解雇を計画している。

出典:UBS Lowers Threshold to Charge Depositors for Negative Rates – Bloomberg(2021年1月12日配信)

このように、銀行にお金を預ければ預けるほど、目減りするようになってきています。次ページでは、日本とスイスの政策金利の推移をグラフで確認します。

Next: 日本も同じ道を行く? スイスと日本のマイナス金利を比較

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