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「路上で遊ぶ親子」を許せない日本人が増えている。道路族マップに賛否、もし自分が晒されたらどうする?=午堂登紀雄

子どもが迷惑をかけるのは普通?「育った環境」も大きく影響

もうひとつ、メンタル以外に「育った環境」もあるような気もします。

私が属する、いわゆる団塊ジュニア世代は子どもの数が多く、さらに現在ほど公園が整備されていない時代でしたから、道路で遊ぶのは普通の光景でした(これは私が育った田舎、地方集落での話です)。

むろん田舎ゆえにそもそも交通量が少なく都市部ほど危険度は高くなかったとは言えますが、たとえばかくれんぼと称して家々の敷地内にもぐりこむとか(いまなら住居侵入罪に問われそうです)、野球遊びをして近所の窓ガラスを割り親と一緒に謝りに行くとか、珍しくはありませんでした。

先ほど、「親の怠慢」という主張があると述べましたし、「子のしつけとして不適切」という意見もあるかもしれませんが、子どもの頃がやんちゃだからといって、大人になってまでそのままということではない、というのは自分の経験からもわかります。

(昔、クレヨンしんちゃんが流行ったころ、「子が親を名前で呼ぶので禁止すべき漫画」などという論争がありましたが、子は遊び半分でやっており、成長すれば恥ずかしくて普通に「お母さん」に戻るようなもので、過剰な心配は不要、みたいな感じでしょうか。)

ゆえに、私には気にならないのだと思います。

実際、数年前にも近所の子どもが投げたボールが私の車の上をボンボンと跳ねたことがありましたが、「あ~あ」という程度で特に怒りが湧くこともありませんでした。まあ、キズがついたりしなかったからかもしれませんが。

当然、迷惑行為や常識・非常識も時代背景によって変わっていくものですから、「もうそういう時代ではない」という解釈も理解できますが、それは他者にも押し付けるべき規範なのか、自分の中で了承しておけば良い規範なのかというと、私は後者で「個々人が好きにすればいい」という見解です(仮にそれが道交法違反であっても、他人の子の行為は私にはどうでもいいことです)。

だから先ほどの道路族マップも、参考にしたい人はすればいいし、どうでもよければスルーすればいいだけ。

私にはどうでもいいので、不要な情報だというだけです。

自分の家が「道路族マップ」に載っていたら?

それでもし「自分の家の真ん前が道路族マップに載っていたら?」という場合でも、「へえ、神経質な人もいるもんだ」という程度だと思います。

なぜなら、単なる一個人が勝手に作ったマップに載ったからといって、何か困ったことが起こるわけではないからです。実際、「だから何?」でしかないでしょう。

あるいは「道路で遊んでいることを注意されたらどうする?」という想定でも、その注意自体はまっとうだと思うので、自分がいない場面で子が言われたなら、状況を聞いて本当に危険そうなら「それは気をつけようね」「そうだよね」という感じです。

親である自分がそこにいる場面で言われたとしても、「すみませ~ん」と言うと思います。状況次第ではありますが、否定や反論する根拠もないし、そんなことにエネルギーを使うのも無駄だと思うからです。

ただし、明らかにケンカを売ってくるような言い方をされたらカチンと来ると思うので、さすがに睨みつけて何らかの反論はすると思います。

成熟した大人であればなおさら、「発する言葉を選ぶ」のは知性の1つであり、コミュニケーション能力でもあると思うからです。どれほど正しい主張だとしても、「無礼な人間には従わない」というのが私のポリシーですので(苦笑)。

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