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銅価格急騰!恩恵受ける「三菱マテリアル」「住友金属鉱山」「三菱商事」の投資妙味は=栫井駿介

引く手あまたの「銅」

改めて振り返ってみたいのですが「銅」はどんな用途に使われるのかというと、これは電子部品に使われるコネクターです。

それから半導体、さらには一般家庭での冷蔵庫やエアコンなんかにも使われます。

それに自動車、さらには建築などにも非常に様々使われます。

銅は電気を非常によく通して、さらには加工しやすい、見た目も美しいということで、本当に使い勝手の良い物です。

これに加えても5Gだったりすると海底ケーブルにも大量に使われるので、ますます需要の増加というのも想定されます。

そして、銅はどこで取れるのか?ということですが、以下は銅鉱石の生産国と量です。

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実はかなり特徴的で偏った分布ということがあります。

青で示されているのがチリで、オレンジがペルーです。ここでおよそ半分近い生産量を占めています。したがってこの国々の資源に対する交渉力というのが強かったりします。それに対して中国とか米国なんかでも一部取れます。

これらの資源は非鉄メジャーと呼ばれる世界的な大企業がこの権益を抑えていたりします。

一方で、以下が消費ですが、これもまた偏っています。

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青で示されているおよそ半分の消費量を占めるのが中国ということになります。これは建築とか住宅を作るに際してやはり大量の銅を使うので、そこで需要が盛り上がっているということもありますし、また中国というと世界の工場ですから、あらゆる電気製品の多くが中国で作られています。

そこに対して中国で使う物も、アメリカで使う物も、日本で使う物も中国で使用するということで、やはり中国での消費量が非常に多いということになります。

直近では中国でも人民元建てで銅の先物取引ができるようになったということで注目も非常に高まっています。

そんな中で中国のお金を持った投資家が大量に銅を買い付けたということが上昇要因となっていて話題となっています。

銅のビジネスモデルは?

銅のビジネスモデルですけれども、多くの資源について言えることなのですが、「上流」「中流」「下流」があります。

まず上流というと原料となる石を掘ってくるという鉱山の仕事というのがあります。もう1つに、リサイクルなどもあります。

次は中流です。精錬と言って、もともとは石でしかないのですが、それを地金、利用できる金属の精度の高い物にするということがあります。さらには加工です。この地金を銅線とか様々な部品に加工して商品に使ってもらうというようなビジネスがあります。

日本はやはり自国で資源が取れるわけではないので、その資源メジャーにもなっていませんから、どちらかというと中流下流というところで頑張っています。

一方では上流にも少しでも進出しようという動きが見られます。やはり価格が上がるとなるとその恩恵を強く受けるのはこの上流です。

掘るコストというのは基本的には変わらないのですが、それに売る価格が変動してそれが上がったということになったら当然利益率は高くなるので、自分で掘れた方が良いといういうことになります。

またこの掘るというのも実は結構リスクが高くて、掘ったら出てくると思っていたら、実際には出てこなかったということもあります。

また新興国で掘っていたりするので揉めことなんかもしょっちゅう生じてリスクが高いです。リスクを分散する為には色んな会社でこの鉱山の権益を分けて、何%ずつという形で保有して、その配当を受けるというようなビジネスも一部の企業では行っています。

Next: 銅の恩恵を受ける「3銘柄」とは?

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